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目隠しさえしたことのない堅物だった人妻が今ではフェラを懇願してくるようになりました。後編

セレブ妻を奉仕奴隷にした男性の告白 ※本誌付録DVD収録 告白 大野康治(PN)

生と性の解放者
芙美子との出会いは、今から二年前、ある懇親会でのことだった。詳しくは書けないが、彼女は私のビジネスに興味を抱き、顧客になりそうだった。四十歳になったのを機に、彼女自身も何かを変えたいと考えていたらしい。
芙美子は、飾りっ気のない濃紺のドレスに白いロングスカーフ、ラウンドトゥのローヒールという地味な出立だったが、年甲斐もなく、肌を露出したキラキラのドレスに身を包んだ年増女よりも、よほど品があり、私はひと目で芙美子のことが気に入った。途中、言葉を切らしてしまうほど緊張している様子で、目が合うとすぐに顔を伏せてしまう。少し垂れ下がった頬にはうっすらと赤く染まっていた。芙美子の話し下手は今でも変わらない。
「ごめんなさい。昔から話すのは苦手で……」
そう言って、苦笑いを浮かべながら髪を耳にかける仕草に、得も言われぬ劣情を駆られ、私は彼女の奴隷姿を思い描いた。何の変哲もないこの女が、私に跪き、犬のように調教される。私のサディズムは、にわかに沸き立っていた。
私は名刺を渡すと同時に、LINEの交換を促した。芙美子は逡巡した。見知らぬ男とアドレスを交換した経験などなかったからだ。だが、裏を返せば、彼女も後ろめたい気持ちを抱いているからこそ、躊躇ったのだ。私は、芙美子の柔らかな頬が強張るのを見逃さなかった。それは不安と期待の表れだ。芙美子を奴隷にする可能性はゼロではない。そう悟ったのだった。
「お仕事の相談だけですから。LINEは一般的に仕事でも使用されています。プライベートなご連絡は一切いたしません」
芙美子は、その言葉に安心したようだった。表情の緊張は解け、先ほどよりも緩んだ笑顔を見せた。緊張と緩和。わずか十五分ほどの会話で、彼女は何度も表情を変えた。私は確信した。芙美子自身にも、奴隷としての才能があると。

SMとは、緊張と緩和の連続だと私は考えている。時に厳しく、時に甘やかし、そうして徐々にマゾヒズムを馴致させていくのである。その過程にこそ、私が考えるマゾヒズムの美しさがある。理性の層を外側から破壊するのではなく、奴隷が内側から突き破る。私のサディズムの本質はその手助けにある。そもそも理性は、本能を抑圧するためのだけのものではない。本能を調整する弁のようなものだ。それが良識やマナー、コンプライアンスなど、外部からの抑圧が弁としての機能を奪い、本能から光を奪った。誰に他人の性を罵しり、侮蔑する権利があるのだろうか。私にとって、社会正義と呼ばれるようなもののすべては、人間から性だけでなく、生を奪っているように見える。人間らしい生に、性は欠かせないはずだ。いわば私は自分を、生の解放者だと考えている。おこがましいかもしれないが、それが私のサディズムだ。
私の目には、芙美子の生は暗い地底に沈んでいるように見えた。だからこそ、私は芙美子を奴隷にしようと決心したのだ。

※この続きは、『マニア倶楽部2021年1月号』をご覧ください。