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真・エゴイストのつぶやき 第13回  【鍼を刺すM女】

久しぶりに穂積さんから、原稿が届きましたので、掲載します。


 
【三度目の人生】
ふとしたことで馴染みの母校へ舞い戻ることとなった春。
きっかけは美容鍼灸について調べていたところ、興味を持ったからだ。

「やってみたいな」
と思い資格を調べたら、なんのことはない、母校の専門学科に入学してしまえば破格の学費で資格が取れる! まあ3年というちょっと長期間を要してしまうけれど、国家資格取ってしまえば一生ものだ。
勝手知った某学校ならば受かる自信もあった。
そして合格できた。
というわけで、この四月から鍼灸学校の学生となったのである。

自然とやめていたSMプレイ。
夢には見るけれど実際やろうとまでは以前ほど強い欲求を感じなくなっている。
というよりも、実技をする手前ぶっちゃけプレイで痕なんかつけたらまずい。
実に自虐放置プレイをこの三年間することになってしまった。
痕が残らない究極の心理プレイ、大好きなジャンルではあるけれど自分でやってしまうことになるとは・・・・
授業は平日ずっと座学と実技が半分ずつ程度だ。
部屋に馴染んでくれた愛娘も留守番に慣れてくれたので安心している。
しかしながらまさか自分が鍼を刺す側になるとは夢にも考えなかった。
そして実際生徒同士で実技をするわけだが、心はM女のままなのは変わらないものだと改めて痛感している。
普通の針の痛みと鍼灸の鍼の痛みとはかなり違うけれど。
針も鍼も刺されるの、好き・・・・悪い血なんて出たときは妙な興奮をおぼえてしまう。
 
だが、順調にいくかと思いきや、やはり平日フルに活動する気力と体力はわたしにはどうやら備わっていなかったらしく、四月後半にはばっちりインフルエンザにかかってしまい、その後はもともとの低血圧でフラフラ。
後期に入る頃には出席日数が足りなくなる計算となり、さっさと留年を決意した。
やめたりはしませんよ! せっかく得た機会だからとことん自虐プレイを楽しもうではないか。目指せ、
「鍼を刺すМ女」
先生方とも話し合って、フルでは行けなくともまた一年やり直すにあたり、体調と相談しながら通学すればよいとのこと。
こんな状態、今に始まったことでもないので周囲に理解してもらえればわたしも気が楽だ。
無事卒業できたとして、どうしていこうかまだ具体的なものはないが、それに不安を感じたりもしない。
ミュゲとこの部屋で静かに暮らせればわたしにはそれ以上の幸せは考えられない。
正社員にでもなってバリバリ仕事したいわけではないのだ。
卒業をしたら、
やりたいときにSМプレイも楽しんで、体の内側から考えられる美容鍼灸を追及しつつミュゲとの時間も大切にしたい。
掲げている目標はこれだ。
彼女がいなければこういう風に考えられることもなかったかもしれない。
どうもやはり人生三度目ともなると何かが違う。
年のせいにしては恐ろしく早いといわれそうなくらい、今わたしの頭の中は穏やかだ。
ある意味悟りの境地と言ってもいいだろう。
ただわたしは忘れてはいけないことがある。
前回からまだ持ち越している、わたしにとっての大切な出来事。
さて、では次こそそのお話をしましょう。
すべての人にミュゲの花を・・・・。
文責・穂積