中距離調教

虫垂炎からの腹膜炎、元に近い体型？　を復元に至るまで、半年以上かかった。

雄猫とはかなり長く付きあっている。年単位で連絡のない時もあるが、最近かなり頻繁にくる。いつも近からず、遠からずな距離に住んでいて、気まぐれにやってくる。でも、さすがに体型がある程度復元できるまで、私は会いたくなかった。そして春のシーズンようやく再会できた。

私はいつも相手の私生活など興味がないから、正体不明。
既婚か否かをとりあえず連絡取る上で確認しておくくらいだ。

近頃流行りの「○活」シリーズに、「膣活」いわよる膣トレブームが密かに話題になっているのは、読者の皆様ご存知でしょうか？
なんとなく或る夜雄猫とその話題になった。

「興味あるし、お前やってみるなら俺見繕ってやるよ」

という切り口で、次にやってきたとき、一つの箱を渡された。
中には重さと大きさの異なる３種類のローターみたいな形のものが入っていた。説明書を代わりに読んでもらった。使い方は、レベル１、１番軽いものから、1日３０分を1ヶ月くらいずつで段階を上げていくらしい。

野外プレイで記憶にあるが、リモコンローターって、振動と操作器具の重みで、どう頑張っても気持ちよさ、とかを感じる前に落ちるという残念な現実があった。
しかし、これならタンポンみたいにヒモがついてるだけ。

「座ってるだけ、とか寝そべってるだけじゃなく、ウォーキングや水泳しながら使うようにって書いてあるからね！」

と追加で言われる。そこで、はたと思った。

「あれ？　てことは、少なくとも私はむこう3ヶ月くらい、1日３０分立ったりして運動しなきゃいけないんですよね？」

「うつ病引きこもりにはちょうどいいだろ。たまにちゃんとやってるか、入れて確かめるからな（笑）」

なんてやり取りがあって今まだ１週間。

なんだか今さら新たに調教されている新鮮な気分。こんなこと久しぶりなんじゃないかな。

近からず、遠からずのちょうどよい距離感。毎日一度はその人のことを思いながらこっそり何かをするって。しかも、我が身のためにもなる。
そう思うと改めて相手のことも、自分の体も愛おしく感じられる、いわば快樂。

早くも夏至が過ぎ、日が短くなってきたことで憂鬱になっていたところへ、ちょうどよくこの快感を与えてくれた雄猫に感謝！

雄猫とはSM趣味人として知り合い、色んなことを教わってきた。彼もまた、変態の中で私を「正統派」と言っているひとりである。決して「セフレ」という関係でもなく、主従関係あるパートナー、でもない。まして恋愛対象ではない。何とも形容しがたい関係なのである。

自宅でオンラインヨガや、近所への散歩をし、地道にレベル１をこなす日々。たまに２にしてみたりして、なかなか難しいと思いながら続けるつもり。

としているときに、たまたま今夜行くという連絡がきた。

明日は今さらながら初めての三和出版社見学。親愛なるÒ様とお目にかかるのもどのくらいぶりか、楽しみだ。

谷山浩子さんの「王国」を口ずさみながら、そろそろシャワーでも浴びて待つことにしよう。

「中距離調教」は、連載になりそうなので、楽しんでいただけたら幸い。

ではO様、明日は皆様に、更に楽しんでもらえるようなトピックをご一緒に創りましょう！

穂澄