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哀哭の女たち第16回【調教レポート】

千葉曳三調教リポート◎哀哭の女たち16 『茜というM女』
山科茜は突然私のもとにやってきたM女である。
人を介してはいるが、その紹介者とて、ほとんど初対面の人物だった。
「SMに憧れている女の子がいます。
私が千葉さんに会うと告げたら、
『ぜひ紹介して欲しい。思いっきり責められたい』
と言っているのですが、会ってやってはいただけませんか」
望むところだ、と応諾すると、週をおかず彼女は私のもとにやってきた。
これが山科茜と私の、
短くも濃密な数ヶ月の始まりである。
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調教ルームにやってきた茜の様子は、
私が知っているM女たちのそれとは少々異なっていた。
今までのM女さん達は怯えと羞恥、
そして期待をこめて、伏し目がちに私を見上げていた。
縄がかかると半泣きの表情で目を閉じ、
じっと縄の感触を噛み締めている、
というのが常だった。
M女はこうあるべき、という先入観もあったかもしれない。
(彼女たちが比較的高年齢だったせいもあるだろう。因みに茜は20代半ばだった。)
茜は最初から明るい笑顔で真っ直ぐに私を見つめていた。
私が彼女を縛り始めても、
まるでそれがたのしくてたまらない、という様子だった。
写真はパーティー仕様の撮影中のものだが、
茜が心から責められることを楽しんでいる様子がお判りだろう。
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そう、昭和のM女は彼女のように
あからさまにMの喜びを表すことをよしとしない。
『はしたない』という言葉がまだ生きていた時代だった。
もっともなぜか陶酔することは許され、
むしろ陶酔を演じることすらあった。
だが、茜の明るさは私を焦立たせた。
何となれば、私もまた昭和の責め師だからだ。
彼女のような明るい反応に慣れていない。
自分の責めが甘いと嘲られているように感じてしまう。
(いま思えば、これは大きな勘違いであったのだが…)
このような勘違いの中で、
私の責めの手はおのずからきつくなる。
鼻フック責め一つを取っても、ほぼ力任せに引っ張る。
この後数日感茜は鼻に違和感を覚えていたそうだ。
だが茜はその違和感すら心地よかった、という。
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茜にとってそれは自分が本当に、
手加減なしに責められたことの証にほかならなかったのだ。
そう、昭和のM女たちも、
手首に残った縄痕を愛おしげに指で辿っていたではないか…。
鼻孔に指をねじ込んだおりも、
もともと小さめであった彼女の鼻孔が、
帰る頃には第二関節までを
易々と呑み込めるまでに拡がっていた。
浣腸にしてもそうだった。
ふつう私はスタッフ以外の人間が介するとき、
人間噴水はやらせない。
しかし茜の場合は敢えて衆人環視の中で人間噴水を演じさせた。
浣腸液を注ぎ込むおりも、拡張器でアナルを開き、
2リットルのペットボトルから直接注ぎ込んだ。
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さすがにこの時ばかりは、
初めは明かるく振舞っていても、
汚水を吹き上げるときは顔が硬ばっていた…ように思えた。
だが、茜にとってはそれすら甘美な責めだったのだ。
この後、茜は浣腸を受けるときは、
それがプライベートであれ、他人が介在する時であれ、
真上に吹き上げ、汚物にまみれることを欲した。
「どんなプレイが好きなのですか?」
「自分が思い切り惨めに穢されるのが好きです。
鼻責めとか、まんぐり浣腸とか…」
あるインタビューで、
山科茜の口から出た言葉である。
[千葉曳三よりお知らせ]
本文、山科茜調教の模様は耽美会レーベル・TAN-246『山科茜というM女』に収録されています。その他の作品につきましてはお問い合わせください。
お問い合わせ tanbikaiking@yahoo.co.jp
〒273-0099 船橋郵便局私書箱37号 千葉曳三
【千葉曳三】
縄師、調教師。S男とM女のためのサークル『耽美会』の主宰。
自身のDVDレーベルとして耽美会、万縄(よろずなわ)を制作している。
幼い頃から自己の中のS性を自覚しており、
自分をマルキ・ド・サドの生まれ変わりではないか、とさえ思っている。
鼻責めが多く取り上げられるが、縛りはもちろん浣腸、スカトロ、
時には針や乳房吊りなど興味はSM全般に亘る。
※千葉への質問等、直接連絡を取りたい方は下記メールまで。
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