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あるシナリオ作家のおピンクな日々 第1回 【マエバリ】 

ピンク映画のシナリオライターをしている鎌田一利氏による書き下ろしピンク・コラム。


 
私はピンク映画のシナリオ書いてますが、まだ二作品しかモノになっていない駆け出しのライターです。
さて、ピンク映画と言うと、昭和の時代の映画みたに思われていますが、まだまだ健在で、
本数は少なくなったものの、年間で約四〇本程製作されています。
そうして日々、専門館で上映されて、観客の皆様の股間を熱くさせているのです。

ですがピンク映画は決してホンバン行為を見せるわけではありません。
ピンク“映画”と言うくらいですから、内容がポルノでもこそには脚本があり、
役者が演じて、監督をはじめとした大勢のスタッフがいるのです。
そして、あくまで「疑似」の男女の絡みを見せているわけです。
二十一世紀の世の中になっても、表現は昭和のままなのです。
ですから、あくまでセックスしているように見せる演技を、どうリアルに見せるかがポイントになってきます。
おまけに性器が見えたら、アウトなので、見えないように工夫するのです。
もちろんモザイクを施したり、ボカシを入れれば簡単に隠せますが、製作予算が少ないピンク映画では、
そういう方法をとるとお金がかかるので、女優さん、男優さんともある物をアソコに付けます。
それが「前貼り」です。
この前貼りというやつ、慣れない役者さんには難物のようで、最初は皆さん付けるのに苦労するようです。
ガーゼとか、ナプキンを使って、自分のアソコの大きさに合わせて作り、
ガムテープ等の粘着テープで張り付けてアソコを隠します。
もちろん役者さんによって形や大きさは様々ですから、それぞれに個性的? な前貼りの誕生となるのです。
ですが慣れないと、直ぐに作れないので、助監督や共演のベテラン役者さんから教えてもらい作るそうです。
でも女優さんはベテランさんがいない時は、助監督さん等に作ってもらうのですが、
男性より女性に作ってもらいたい。という方もいるそうで、そんな場合には女性スタッフが作ります。
意外にピンク映画の現場には助監督や撮影スタッフに女性がいるケースが多く、
そんな時の女性スタッフは女優さんの話し相手になったりして、
心のケアもでき、スムーズに現場が運ぶことが多々あります。
それにスタッフも高嶺の女優さんだけでなく、親しみやすい女性スタッフがいる方が、
より現場が和んだ雰囲気になるようです。
そうやって絡みの場面を撮影するのですが、前貼りが見えたら、
せっかくのエロッチックなシーンも台無しになるので、見えないように撮影していきます。
でも時々、よく目を凝らしてみると粘着テープがチラリと見えることもあったりします。
特に男優さんは、やはり人間ですから、タイプの女優さんと絡んだりして、演技の感情が昂まってしまい、
勃起してしまうこともあるようです。
そしてその勃起のおかげで、前貼りが外れて撮影が中断するなんていうハプニングもあります。
おまけに前貼りを外す時、粘着テープのおかげで陰毛が一緒にバリバリッと剥がれる事もあり、
その時の痛さは言葉では言えないくらいだとも……。
男優さんにとっては前貼りは、なかなかやっかいな物かもしれません。
そんな苦労をしながら男優さんと女優さんはカメラの前で大勢に見られながら、ラブシーンを演じています。
AVには無い、昭和の匂いのする、そんな役者さんたちの姿を、
皆さん、どうかピンク映画館でご覧になってください。


 
■筆者 鎌田一利
高校2年の時、日本映画史に残る大名匠・木下恵介監督が講演会にて私のファンレターを読みあげ「熊本の少年に幸あれ!」と仰ってくださるも、何処で道を違えたか、ピンク映画、B級SFホラー映画(特にメキシコ&スペイン物)、古い邦画(特に大映時代劇)をこよなく愛し、好きが高じて、星野スミレ名義で加藤義一監督「主婦マル秘不倫後ろから出して」(2012 年9月28日公開)というピンク映画でシナリオ作家デビュー。
2013年春には鎌田一利名義で書いた第2作目(加藤義一監督:不倫OL びんかん濡れ白書)が劇場公開!
ピンク映画界の巨匠、池島ゆたか監督より「キネマ怪人」、清水大敬監督から「鎌田金太郎」、加藤義一監督には「しょ~もない映画評論家」という肩書きを頂いた駆け出しのシナリオ作家です。