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不二企画 緊美研ビデオ 『女囚拷問縄』
江戸時代の囚衣を着た悠理が、後ろ手に縛られていきます。
その手首をカメラが真後ろから捉えて画面に映し出しています。
私は、握られた彼女の拳をじっと見つめます。
(どんな表情を、悠理の拳は見せてくれるんだろう?)
顔の表情は見えなくとも、拳はそれ一つで、顔の表情と同じようにいろいろな表情を見せてくれ、
そして語ってもくれます。
縛られてしまったら、どんなに抗ってもどうすることもできない。
諦めが心を捉え、その瞬間に拳が強く握られるのです。
縄目の屈辱に啼く様を見るようでもあり、心がざわつきます。
手首を縛られた悠理は、何もかも一切を諦めた、力ない拳の握り方でした。
やがて、菱縄をかけられていく悠理が映し出されます。
首を垂れ、抗いの一つも見せずに縛られるままになる悠理。
菱縄が完成して映し出された背中で握られた拳は、強く握られていました。
そして、もう一つ、私が目を見張ったものがありました。
背中に形作られた、幾重にも渡された縄の文様の美しさに目を奪われたのです。
厳しく縛り上げられた悠理が後ろ手の拳を握り締め、厳しい縄目の屈辱に、
必死に耐えている様子がよく見てとれます。
一つの完成された縛りの絵図が、そこにありました。
『女囚拷問縄』(不二企画 緊美研ビデオDVD)は、
四十七分という短い映像ですが、モデルの表情(顔だけではない)、
縄がたっぷりと楽しめる作品です。
物言わぬ女囚・悠理。
握られた彼女の拳は、何を訴えているのでしょうか。
思わず知りたくなります。
彼女は心中の片割れで、自分だけが生き残ってしまったのかも知れません。
または、愛してはいけない男を好きになってしまい、
一緒になれないなら男を殺して自分も死のうと、
相手に刃物を突きたて殺してしまう。
でも、悠理は死にきれずに囚われ、拷問を受け、散々に弄ばれ、最後は死罪に?
(ああ、辱めは嫌。早く愛する男の許に行きたい……殺して)
嘆き訴える悠理の切ない願いが聞こえてくるようです。
でも、先の割れた竹で囚衣を捲り上げられ、太ももが、股間が露わに。
ぎくり! とする悠理。
恥ずかしさに、思わず身を小さく縮め、必死に恥部を隠そうとしますが、
竹が邪魔をします。
尻を打たれ、突かれて痛みに喘ぎ、もがき、逃げ惑う悠理。
どんなに、縄から逃げたいと思ったことでしょう。
固く握り締められた、屈辱にまみれた拳が見えるようです。
責めは一層激しさを加え、磔にされたまま中に吊られた悠理が、
厳しい縄の締めつけに遭い、悲鳴を上げ、涙をぽろぽろ流して啼泣します。
「泣け、もっと泣くんだ。
お前の犯した罪の重さを知るんだ。身も心もぼろぼろにしてやるからな。
簡単に死なせはしないからな」
興奮した男の声が、聞こえてくるようです。
おわり。
文 川上雄二