管理者の視線躊躇

電話で話したのは15分程度。
またあわただしく彼は仕事に行きました。
私はしばらく電話を見つめたままドキドキする気持ちを抑えられませんでした。
完全に相手を見誤っていました。
今までの人たちとは全然考えていることが違うことが直感的にわかりました。

今簡単な指示しかだしていないけれど、
確かにこの人は相手を支配できるんだろうなという確信が私の中に生まれました。
私のすべてを管理してほしい……。
そんな風に思っていましたが、
実際に管理できてしまう人が目の前に現れると
やはり少し躊躇を覚えてしまいます。
私の覚悟が全然甘かったんだとようやく気づきました。
引き返すならいまだ…
たぶんこのままいくと本当にすべてを預ける関係になる。
私の心と頭の中で葛藤が始まりました。
それまではどうしても管理してほしいと思っていたはずなのに、
いざとなると不安になります。
ついていけるだろうか?
ついていきたい。
でも、、、それで本当にいいのか?
ぐるぐると思考が回っている間に相手からまたLINEが届きました。
「さっきは電話ありがとう。それで、今から何をするの?」
同じLINEの文字が電話の前と後では全く違うものに見えます。
それまでは片手間に返せていた返事が、軽くは返せなくなりました。
すごく不思議な感覚ですが、
相手には私のことをすべて見透かされているように感じたのです。
私が今までの人との関係で、相手を軽く見ていたことや
どんな風に適当に色々なことを誤魔化そうとしているのかなど。
だからこそ、相手に嘘をつくと自分が痛い目を見るのはわかっていました。
指示に従ったフリをして従わないなんてことはできません。
たぶんそれをしたらすぐに気づかれてしまうでしょう。
そのくらい、この人は人を見る目が優れていたのです。
私の呼吸や声のトーン、返し方や返しのタイミングなどから
色々なことを読み取られているのです。
また数回LINEでやり取りをしながら、私の心は固まりました。
「せっかくこんな人に会えたんだから、この人に任せてみよう」
今までずっと得たくても得られなかった絶対的な支配が、
この人の下にいれば味わえるかもしれないのです。
そう思ったら私の心は踊り始めました。
比較的遠距離だったのですが、電話で相手は
「そのくらいの場所なら日帰りでも行くからね!」
と軽く言っていました。その言葉に嘘はないでしょう。
あってから2日ですが、フットワークの軽さはもう感じていました。
来ると言ったら、本当に来るでしょう。
その日までに私はこの人の前で言うことが
聞けるようになっておかなければならないのだと痛感していました。
それは心地いい胸の痛みでした。



美穂・・・自分のM性に気付いてから主を探している。今までなかなか理想的な主と出会えずにきた。今は普通の主婦で、自分を完全に支配してくれる主を望んでいる。