困惑日記 【第1回】 乳首に爪を立てた痛みで、M男は射精した。

私はこれまでずっと、Mとして生きてきた。
SMという世界を知ったのは、高校生のときだけれど、幼稚園の頃から自分が痛いことや苦しいことが好きなのだと理解していた。
SMの世界に飛び込んで早十数年。最近、私の周りに異変が起きている。Mな私に従いたいという男性が複数表れたのだ。
それは、ある日働いていたハプニングバーでの出来事だった。他のSのスタッフさんと一緒に接客をしたのが、Kという男性。根っからのMで、最底辺に居たいという願望を持っているようだった。話が盛り上がり、そのまま軽いプレイを始めた。Kはすでに下着姿。体には落書きをされ、床に正座している。

普段なら、私も床に座っている方が落ち着くけれど、接客中にそんな態度を取るわけにはいかず、イスに座ってお店のSなスタッフさんがKを苛めているのを、横から手伝ってみた。
「ほら、こんなのが気持ちいいの?」
「最低だねー。本当に変態なんだね」
女王様というのは、よく本当にポンポンと言葉攻めが出来るものだといつも感心する。私には全然そんな才能はない。
Kは乳首を苛められるのが好きということで、恐々と片方の乳首を指でつまんでみた。すでに反対側の乳首はS女性によって痛めつけられている。Kはもっと痛みを求めていた。痛みが好きという感覚はわかるので、私もだんだんと力を入れてみる。その時、Kと目が合った。
「もっと欲しいの?」
とっさに口をついて出た言葉に自分でも少し戸惑ってしまった。
でも、もっと痛めつけられて、もっと最低な自分になって、普段の苦しみから逃れたいという気持ちは十分にわかったから、私は力加減をしないで思いっきり乳首をつまんでは爪を立て、指先でころがした。
Kと目が合うたびに不思議な感覚を覚えるようになった。
(もっと苦しんで、もがいて、自由になればいい……)
それはいつも私が望んでいること。気持ちはいたいほどよくわかる。S女性と一緒に乳首を苛めていたら、その痛みでMは射精した。
その日から、Kは私に御主人様になって欲しいと言うようになった。他にたくさんいる女王様ではなく、私の更に下にいき、もっともっと貶めて欲しいのだそうだ。
私は困惑した。
この日まで私は人を苛めて楽しいと思ったことがない。というか、苛めようとしたことも、苛められると感じたこともない。人が苛められているのを見ると、羨ましいとさえ感じる。そんな私がここまで出来上がったMにどう接すればいいのだろう?
とりあえず、私はその件を保留にした。SMを始めた頃の私だったら、絶対にあり得ないと思って最初から考えることもしなかっただろう。でも、今なら少し分かる気がする。Mだからこそ苛められるという感覚が。
困惑しながらも、ちょっと興味を持ってしまったから、私はKの前でだけS側の自分を出してみようかと思っている。どうしても敬語が抜けないし、どうしても相手の気持ちを優先して考えてしまう。もちろんそれも必要なことだけれど、Kが求めているのはそうじゃない。ただただ人としての尊厳を捨てて、家畜のように飼われたいのだ。
まだ、私はKとの関係を確立させてはいない。この後出会うもう一人の奴隷志願者との関係も保留にしている。ここから、Mな私がSを演じるための困惑する日々が始まる。

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弥生・・・小さい頃からMの自覚を持って育つ。大学生の頃からハプニングバーで働き始め、今も仕事をしながらバイトをしている。プライベートも含め根っからのMだが、最近M男性からSっぽい面を求められ、方向性が揺らぎ始めている。S転して、女王様になる日も近い!?

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