市原綾彦の世界

【ノゾキのぞかせ】
画人・市原綾彦氏より絵物語を投稿していただきました。

 

ノゾキのぞかせ

気づいているのよ。
鏡の端にわずかにうつる貴方の視線の執拗さ
白い肌から立ち昇る
おしろいの匂い
一注しの紅
髪油の匂い
でも女を形作るそれらは
極めて個人的な努力で生まれる。
・・・違うのよ。
いつも誰かに見られていなければ。
特に鏡台にいるとき、私を完成させるときには。
姿を見られ続けるこの感覚
「少しの仕草も油断できない」
病みつきになる、もうその頃には
ひそめる息も
ねっとりとした視線も
私の肌に纏わりついて
やがて私の一部になる。
私という女を形作るのは
私の「隙」を覗く男たちの
賞賛のため息
執着の瞳
存分にめかしこんだ私は
愛しい男たちの腕の中で
何も知らないようにくつろいでみせるの。



画人・市原綾彦『グレイスホールで踊りましょう』 http://ayahiko.wix.com/ayahiko
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