女王者の降臨【ミックスファイト】

イラスト&ストーリー
女王者の降臨(おんなおうじゃのこうりん)
画:真喜屋
※女神の愛第1号収録
WMF(世界格闘技連盟)認定MMA(総合格闘技)完全無差別級タイトルマッチが、2012年TOKYOマッスルドームで行われることが24日正式に発表された。
MMAの世界では、近年、体重差のみならず性別をも超えた激闘が繰り返されている。
今回、真の世界最強を決定することを目的に、人種・性別・年齢・体重その他全てを無差別とし、限りなくノールールに近いシステムを導入した『完全無差別級』格闘王座が新設されることになった。
全人類が注目する初代チャンピオン決定戦は、以下の二人で争われることとなった。

フルコンタクト空手、柔道、サンボ、アマチュアレスリング、キックボクシングおよび3つの女子プロレス団体で金メダルとチャンピオンベルト計12タイトルを総なめにし、その内の「女子」と限定詞のつく5タイトルを自ら封印した『7つの頂点を持つ女』『ジ・エンプレス』ことケイコ《ザ・ゴッデス》サワムラ。
今や人類最強という呼び声も高い。
伝説的レスラーの父と、映画女優の母を持ち、その類まれなる美貌で『ヴァーグ』の専属モデルもこなしている。
またラスベガスにホテルを所有し、3つの格闘団体と有名テレビ局のオーナー兼社長を務め、ショービジネス界きっての実業家という一面も持つ。
実は、このタイトルマッチ自体が彼女の仕掛けたものでもある。
試合の模様は、衛星放送で全世界に生中継される予定だ。
関係者の誰もが、「ケイコはいよいよ名実ともに人類最強を手に入れるつもりなのだ」と考えた。
それに対するは、あの『奇跡の天才児』スパーム立花である。
昨年のMMAデビュー戦以来、五大会連続、八戦(トーナメント含む)全勝一分以内KO記録を持ち、WMF認定ヘビー級、クルーザー級のダブルタイトルを史上最短で手にしたのも、記憶に新しい。
多くの(男性)関係者が、百年……いや、千年に一人の逸材という評価を下している。
肉体の強ささえ奪われたとき、
男が女に勝るものなど何があるというのだ?

今や彼こそが、男の矜恃、雄の誇りの最後の砦と言っても過言ではないだろう。
「女が王者なんて、絶対に認めねえ。ドームの観客の前で、乳もんで赤っ恥かかせてやるよ。女の限界ってのを教えてやるよ。 女帝の泣きべそ面を大公開してやるぜ」
と、鼻息も荒い『天才児』に対し、
「あらあら、そんなにおっぱいが好きなのかしら? ママのところにでも帰ったら? ママにおっぱい吸わせてもらいなさい。 私のおっぱいは、口だけ坊やには、まだ刺激的で、早すぎわね。 まぁ、私のおっぱいに触ることができたら、たいしたものよ。 ご褒美に犬として飼ってあげてもいいわ」
と、『女帝』は言い放つ。
両者は握手を拒絶して、記者会見場を後にしたのであった。
――当日は全世界での視聴率が実に87・6パーセントという、まさに世紀の一戦にふさわしい、驚異的な記録を叩き出した。
入場を終え、リング上でガウンを脱いだケイコの姿は圧巻だった。
その神々しいまでの美しい姿に、会場の人間たちは、敵味方関係なく息を呑んだ。対戦相手である立花さえ例外ではなかった。このとき、すでに勝敗は決していたのかもしれない。
ゴングと同時に、立花は必勝パターンである低空タックルを仕掛けた。全力の奇襲だった。女帝のオーラに、天才児の嗅覚が一切の遊びを許さなかったのだ。
しかし、女帝は予期していたかのように、跳躍し、跳び箱の要領でタックルを交わした。
「あらあら、がっつく男はレディーに嫌われるわよ?」
女帝の不適な笑みに、天才児は戦慄した。 そして……!!
真喜屋
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