処刑ごっこ 第四回

左母次郎氏より、新しい絵物語をお送り頂きました。
数回に分けて紹介します。


少年達がロープを手に迫ってくる。
その顔にはニヤニヤした笑みが浮かんでいた。遊び飽きた玩具を壊す時の残酷な笑みが。

良子は恐怖を感じ、全裸であることも構わず逃げようとした。
だがたちまち追いつかれ、囲まれてしまった。
四方から手が伸びてくる。
小学生とは言え、何人もいては力の差は歴然だ。抵抗も空しく、良子は後ろ手に縛り上げられた。
「やめて」

処刑ごっこ4


大声をあげようとすると、口の中に泥だらけのゴムボールをねじ込まれた。
吐きだそうとしたが、口の中にぴったりとはまり込んでどうすることも出来ない。
土とどぶのような汚物の味がした。
胃の中のものが逆流してきたが、ボールに堰き止められて気管に入ってしまった。
ひどく咳き込む。
涙と洟で顔をべとべとにして七転八倒する良子を、少年達は笑いながら眺めていた。
彼らにとって人が苦しむさまは愉快な光景なのだ。
殺される、と彼女は思った。
彼らは冗談などでなく、本気で死刑にする気だ。
地面にぐったり横たわった彼女に少年達は群がった。
彼らは良子の手足を掴んでブランコの下へ運んだ。このまま首を吊ろうというのか。
だが彼らはロープを首に巻き付けようとはせず、左右の足首をそれぞれ1本ずつのロープできつく縛った。
そしてロープをブランコの上に掛けて、向こう側にいる仲間に反対側の端を投げて寄越した。
「やれ」
リーダー格の合図で、少年達はロープを力いっぱい引く。
「よいしょ、よいしょ」
楽しげなかけ声とともに良子はたちまち逆さ吊りになった。
さっき掘らされた穴の真上でぶらぶらと揺れる。
穴に溜まった汚水の水面に彼女の惨めな姿が反射していた。
体中の血液が頭の中に流れ落ちてくる。
苦しい。助けて、と叫ぼうとしても口の中のゴムボールがそれを阻んだ。
リーダー格がバットで彼女のお尻を思い切り叩いた。
それをきっかけに、彼らは代わる代わる彼女をところ構わず殴ったり蹴ったりし始めた。
容赦のない暴力だった。
まさに嬲り殺しだ。
良子はまったくの無防備で振り子のように揺れているしかなかった。
叫んでも、もごもごとくぐもった声が漏れるだけだ。次第に気が遠くなっていく。
早鐘のような心臓の鼓動と、その向こうから少年達の無慈悲な笑い声が聞こえてくる。
死刑は彼らにとってこの上なく楽しい遊びなのだ。
土饅頭の下には彼らがこうやって遊び半分に殺した小動物たちが埋まっているのに違いない。
そして自分も……。
いますぐ死んでしまえたらどんなに楽だろう。薄れてゆく意識の中で良子は思った。
だがそれは叶えられなかった。


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