処刑ごっこ 第三話 

左母次郎氏より、新しい絵物語をお送り頂きました。
数回に分けて紹介します。


死刑と言われても、何のことかわからなかった。
子どものすることだから本当に殺したりはしないだろうが、悪夢には違いない。
とにかく1秒でも早く開放されたかった。

良子は左右から腕をがっちり掴まれ、ガレージの奥にあるコンクリートの階段を上った。
かつて家が立っていたところは草ぼうぼうの原っぱと化していた。
裸のまま日の光の中に引きずり出され、良子は思わず身をすくませた。だが、幸か不幸か周囲から目撃されることはなかった。
この敷地は丘のてっぺんに造成されており、土台は隣家の二階位までの高さがあった。すぐ下の道路からはここで何をしていても見えない。

処刑ごっこ3


良子はブランコの残骸の所に引きずって行かれた。
その周囲には小さな土饅頭がいくつもあり、それぞれ木の枝や板切れが立ててあった。
飼っていた金魚や小鳥の墓、という感じだが数が、なぜこんなに沢山あるのか。良子は背筋が寒くなった。
スコップを持たされ、ブランコの真下の地面に穴を掘れと命令された。
少年たちは手に手に棒切れや木刀を持っていて、ちょっとでも手を止めると容赦なく叩かれた。
傷だらけになりながら穴を掘り続ける。
しゃがめば中に入り込める位の深さまで掘ったところで、もういいと言われた。
体中泥だらけでくたくただ。だが休むことは許されなかった。
穴を水でいっぱいにしろと言うのだ。敷地の隅に池があり、そのドロドロに濁った水をバケツに汲んで、何往復も運んだ。
逃げるチャンスは何度となくあった。だが写真をばらまくと脅され、従わざるを得なかった。
今日は全裸の写真を撮られてしまっている。
彼らの言うとおりにしていればそのうち解放してくれるのではないか……。
その考えが甘いことに良子はまだ気づかなかった。
穴に水がいっぱいになると、今度は掘り出した土をスコップで掬い入れ、かき混ぜろと言う。
いったい何をする気なのか。へとへとになりながら土を運んでいると、彼らは理由もなく彼女の尻に木刀の一撃を食らわせ、げらげら笑った。
空が夕焼けに染まった頃、やっと作業は終わった。
仕上げに少年たちは出来たばかりの泥の池に向かって立ちションをした。
「さて」
リーダー格がへたり込んでいる良子に向かって言った。
これで帰してくれるのではないかと彼女は思った。これだけひどい目に合わせたんだから、もういいでしょ?
だが……。
「これより死刑を執行する。死刑執行人、被告を吊せ」
ニヤニヤ笑いを浮かべた少年たちはロープを手に迫ってくる。


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