困惑日記 【第13回】 奴隷を所有する難しさがわかり……。

前回Kと食事に行った話をした。
実は以前に私はTとも食事に行ったことがある。
その食事での態度でさえ、TとKは大きく違う。
そのことに気づいたので、ここに書いておこうと思う。

Tとは私の家の近くの大きめの駅で待ち合わせをした。
Tはお酒を飲むし、家族もあるので車を自由に使って送り迎えなどはできないということだった。
普通の女王様なら、こんなことを言うTをまずは叱るのかもしれないが、
私はまだTのことを全く知らなかったから、とりあえず食事をして色々な話を聞きたいと思った。
お店選びをTに任せたら、TもまたKと同じで焼き肉のお店を予約していた。
女王様というものはもしかして肉を食べさせると喜ぶのだろうか?(笑)
スーツ姿に身を包んだTはやはりまったくM男性には見えない。
SかMかと聞かれたら、間違いなくSだと答えるだろう。
でも、そこがTにとっては一番苦しい部分なのだという。
私は見た目からしてMだから、そういう苦しさはわからないし、その部分では普段から「Mなんです」などと言いやすい女性だからわからないのかもしれない。
お店に入るとそこはカーテンで区切られた個室のような作りになっていた。
Tは私が喜びそうなお菓子を買ってきてくれた。
お礼を言って最初に飲むお酒を決める。
私もその日は少し飲みながら話そうと思った。
T一人だけが飲むとなると気を遣わせてしまうかもしれないと思ったのだ。
とりあえずの飲み物を注文して、その後またとりあえずのお肉も全部Tに選ばせた。
私は正直本当にこういうときに何かを選ぶというのが苦手なのだ。
Tは迷いながらも私の好きそうなモノと自分の好きなモノを適当に頼んでくれた。
Tとは外で会うのはこれが初めてだったから、本当の気持ちを聞けるのもこの時が初めてだった。
やはりお店ではあまりプライベートなことは話しづらいだろう。
ここで初めて私はTに家族がいることを知った。
まだ幼い子どもがいることも。想像するのは簡単にできたが、ちょっと意外だった。
それと同時に、やはりTを奴隷にするのはすごく難しいことだとも思った。
Kは家のことで自由な時間は少ないが、子どもは手を離れているし、時間があけば外に出られる。身体に少々痕が残ってもばれる心配はあまりしなくてもいい。
だがTは違う。
もともとSMクラブなどで遊ぶ時でも、言葉攻めがほとんどで身体に痕が残るようなことはできないと言っていた。
私のしてきたSMはTとは真逆だ。
私は痛みをひたすらに求めていた。痛みの中に安心を求めていた。
だから身体はいつもぼろぼろだった。
傷跡を隠すために夏でも長袖ばかり着ていたくらいだ。
だから私には言葉攻めなどどういう風にされるのかわからない。
言葉で責められて感情を発散できるという感覚がない。
やはりTとは難しいのかなと感じた。
もちろんSMは心の繋がりがいちばん大切で、身体に傷をつけるか付けないかということは大きな問題にはならないと思う。
それでも、こちらの持っている能力が足りなければ相手を満足させることはできないし、
相手だって自分と合った人とSMをする方がいいだろう。
SMは絶対にS側の不満のはけ口にMをつかってはいけないと思う。
私の中には普段からたまっているどうしようもない罵詈雑言もあるけれど、
それをTにぶつけるのが言葉でせめることと違うことだけはわかる。
たくさんのお肉を食べながら、Tがどれだけ今気持のはけ口を切に探しているのかはわかった。
だが、それがどれくらい私には難しいことかなのも、同時にわかってしまった夜だった。

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弥生・・・小さい頃からMの自覚を持って育つ。大学生の頃からハプニングバーで働き始め、今も仕事をしながらバイトをしている。プライベートも含め根っからのMだが、最近M男性からSっぽい面を求められ、方向性が揺らぎ始めている。S転して、女王様になる日も近い!?。

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