ふつうの女の子にお漏らし実験させてみた 優子篇①

おもらしを趣味にしている女の子なんて知らないよねと、別件の取材で会っていたОLにダメモトで聞いてみた。
すると意外なことに、彼女は身を乗り出してきた。
「それって趣味にしてなきゃダメなのかな?」
そこで私は、趣味でなくてもいい。たとえば、実験として、おむつをしたまま放尿し、その感想を詳しく教えてくれる女の子なら誰でもいい、と説明した。
「だったら、あたしじゃダメ?」
一流商社に勤める優子は二十五歳。肩の下まで伸びた髪をクルンとカールさせた、カモシカのような脚をした美人OLだ。平山あやに似ている。
「小さい頃から立ちションに憧れてるから、おむつをしたまま立ちションをしてみるのでもいい? ほら、おむつをしてれば、女のあたしでも立ちションできちゃうでしょ? 内田サンが一緒にいてくれるなら、あたし、やってみたいな」
優子、という名前はもちろん本名ではない。不思議なことに取材で会った女の子のほとんどが、原稿は仮名で書くと告げると、それならこの名前にして欲しいといって、即座に偽名を名乗ってくれる。この偽名即答現象は、女なら誰もが持っている『今とは別の私になりたい』という変身願望の表れではないか、と私は思っている。
優子は『おむつをして立ちションする日』のために、わざわざ休みを取ってくれた。四月のとある月曜日、わたしは優子と午後一時にJR新宿駅中央東口改札で待ち合わせた。待ち合わせ場所に現れた優子は、裾がフワッと広がった、膝上十五㎝ほどのミニ丈のキュロットスカートにブラウス&ジャケット姿だった。
「そんなにミニ丈で心配じゃないの、アレ」
私はキュロットスカートの下から、おむつが見えてしまうのではないかと心配になった。
「大丈夫でしょ。それに見えたとしても、まさか若くて健康そうな女子がアレをしてるなんて、誰も思わないよ」
私の心配とはうらはらに、優子は高らかに笑った。私は優子の高校時代を思い出した。パンツが見えそうなほど短いチェック柄のプリーツスカートの下に、通称・見せパンこと、見せてもいいパンツを穿く子もいる中で、優子はいつも平気で下着パンツ一枚しか穿いていない子だった。そんな優子からすれば、おむつが見えるかどうかなんて、たいして気にならないことなのだろう。
優子は身長一六二㎝、体重は四八㎏でスラリとしている。胸もBカップでヒップもスッキリしており、その少年のようなストンとした体型に、十代の頃は猛烈なコンプレックスを抱いていた。中学、高校時代は、タレントの小池徹平(NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』にてヒロインに恋心を寄せるヒロシ役)に似ていると言われ続けていたことも、優子が立ちションへの夢を募らせた原因の一つになっている。
「見た目が男みたいなくせに、男じゃないから立ちションができなくて口惜しかった。だから自分の家の風呂場で立ちションの練習をしてたんだけど、おしっこが前に飛ばなくて、いつも内腿がびしょびしょに濡れるばっかり。特に出し始めと終わりは水量が少ないから、ちょろちょろした生温かいおしっこが内腿に垂れてきて、それがなんか『うっかりおもらししちゃった』みたいに思えて、情けなかったなぁ」
優子はスカートの裾を押さえることなく、新宿駅から地上へと向かう階段を上っていった。たしかにスカートの下からは、何やら白っぽいモノはちらちら見えても、それがおしめだとはわからない。優子の後ろから階段を上っていた私は、ホッと胸を撫で下ろした。
椎名林檎が好きな優子は、立ちションしたい場所として、まっさきに『歌舞伎町一番街』の看板下を挙げた。歌舞伎町を舞台にしたドラマや映画では、必ずといっていいほど使われる、おなじみのネオン看板の下だ。
「じゃあ、するね」
昼間でも人通りの多いそこにたどり着くと、優子は新宿駅を背にして、一番街通りの中央で仁王立ちになった。私がなんとなく優子のそばを離れようとすると、そばにいてよ、と腕を引かれた。その手に力が入った。する気だな、とわかって、私も身構えた。ところが十秒も経たないうちに
「どうしよう、ダメみたい……」
小さな声が聞こえてきた。
「じゃあ、道の端に寄ってみる?」
私達は看板を支える右側の脚の下に移動した。黒スプレーのイタズラ描きがある、黄緑色をした脚にもたれかかるようにして、二人で向かい合わせに立った。優子は私の目を見ながら腕をつかんできた。指先にぎゅっと力が入った。がんばって出そうとしてくれているんだな、と思った。
優子はしばらく小さく力んでいたかと思うと
「……ダメだ、やっぱ出ない……」
今にも泣き出しそうな声で私に訴えた。
「よし、やめよう」
海の中で放尿できない私には、優子の気持ちが痛いほどわかった。トイレで放尿することを学習してしまった大人にとって、こんな人通りの多い道端で立ったまま放尿することは、いくらおむつをしているからといっても、あまりにハードルが高すぎる。
「……ごめんなさい……」
しょんぼりする優子がいじらしかった。
「どこか優子の行きたい場所に行こうよ」
優子の気持ちを盛り立てるためにそういうと、
「浅草橋に行きたい」
手作りアクセサリーの材料を買いたいから、と優子は付け足した。
総武線に乗っている間、私達は無口だった。席が空いても座らずに、ずっと車窓を流れる景色を見ていた。秋葉原駅を過ぎて隅田川に電車が差しかかると
「とにかく、今度したくなったら、このままするから」
優子はまっすぐな目でそういった。(つづく)

テキスト 内田かおる ※普通の女の子を知るべく、10歳から34歳までの女性をメインに対面取材を行っている女性ライター。
【関連本】甘えんぼう系SM (おもらし倶楽部シリーズ60)
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