困惑日記 【第12回】 生まれて初めて人間に餌付けをした……。

私が自分の主従観を見直そうと考え始めたころ、Kから食事に誘われた。
普段は家をあけることがほとんどできないKが、少しの時間家をあけられることになったのだそうだ。

私は御主人様に許可をもらいKと食事に行くことにした。
Kはいつものように車を降りて私を待っていた。
助手席のドアを開け、私が乗り込むとドアを閉める。
こういう態度はすごく奴隷らしいと思う。
まだ本当の奴隷ではないのだけれど。
走り出した車で最近のKの話を聞く。
相変わらず変わらない日常の中で、かなりストレスがかかっているようだ。
Kは奴隷として店などで遊んでいるときと、車を運転しながらラフに話をしているときではかなり態度が違う。
もちろん基本的に敬語で話すし、私に対して失礼なことは言わないけれど、他の車に対しての悪態などはつく。
そういう部分でKの本当の性格が見えてくるのが面白いと思う。
本当に奴隷として飼うようになったら、こういうところもなおしていかなければいけないのかもしれないが、今はまだこのまま放っておこうと思う。
その方がKが良くわかる気がするからだ。
私が特に食べたいものがないから何でもいいと話すと、Kはステーキハウスへ連れて行ってくれた。
ステーキとサラダバーのセットを頼む。
Kは意外と店員などに対しての態度は大きい。
私はKを観察していた。
取ってくるサラダの種類や量。
Kは好き嫌いがかなり多い。
私もサラダを取ってきて話をしながら食べ始める。
ステーキも席に準備され、普通の食事が進む。
私たち二人は周りから見たらどう見えているのだろう? 
これが女王様と奴隷になるかもしれない関係だなんて誰も思わないだろうななんて考えると少し面白くなってきた。
そして昔私がファミレスでその時仕えていたS男性にされたことを思い出し、やってみたいと思った。
それはお皿を床に置き、床で食事を食べさせるというものだ。
でも、さすがにまだ早い時間でお客さんも多い店の中で床に皿を置いて食べさせるのは難しかった。
私はデザートを食べ始めたKの皿からブドウを一粒手のひらに取り、それを机の上でKの目の前に差し出した。
Kはどうしたらいいのか迷っていたけれど「食べないの?」と聞くと、そのまま私の手のひらに口を近づけてブドウを食べた。
生まれて初めて人間に餌付けをした瞬間だった(笑)。
Kがあからさまにドキドキして周りを気にしているのがわかり、楽しくなって笑ってしまった。
本当に床にお皿を置きたい気分だった。
Kとはこれ以外は全くSMっぽいことはしていない。
食事が終わり家の近くまで送り届けてもらっただけだ。
帰りの車中でKに私は床にお皿を置いて食べさせてもらったことがあると話したら、驚いていた。
そして「さすがにそれはできませんよ」と言った。
不思議なことに私は、それならいつかKに床の上での食事をしてもらおうと思った。
女王様にはなれない。
Sとしての素質が全くない。
そんな風に思っている私だけれど、もしかしたらこうやってM男性と触れ合うことでどんどん開発されているのは私の方なのかもしれない。
もちろん今はまだ本当に遊び程度のことしかしていないけれど、私はKやTに女王様にされてしまう日が来るのかもしれないと思った夜だった。

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弥生・・・小さい頃からMの自覚を持って育つ。大学生の頃からハプニングバーで働き始め、今も仕事をしながらバイトをしている。プライベートも含め根っからのMだが、最近M男性からSっぽい面を求められ、方向性が揺らぎ始めている。S転して、女王様になる日も近い!?。

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