【雪かき】ノルマ地獄 〈第5回〉穴を掘っては埋める、繰り返しの拷問。

【雪かき】
自分に尋常ではない量のノルマを課す。それを達成できなかったら厳しい罰が待っている。そんな状況に興奮してしまうのが私です。普通ならば、何でも楽にこなせた方がいいと思うものなのでしょう。ですが、私は苦痛に耐えてこそ充実感を覚えるのです。

子どもの頃の知識の補充の仕方には、限りがあります。特に私は田舎育ちだったので、1人で行ける本屋さんなどもありませんでした。知識を得るとしたら、学校の授業かテレビくらい。そんなある日、テレビで興奮してしまうものを観ました。シベリアに捕虜として捉えられた人の記録でした。不謹慎だとはわかっていますが、私はそれを観てあそこが暑くなるのを感じました。そして同時に、同じ苦しみを味わってみたいとも感じてしまいました。
私の育った地域は冬に雪が積もります。雪かきは大抵親か祖母がやっていて、手伝わされたことはなかったのですが、雪かきの大変さはしっています。雪かきは体力はもとより、寒さや、いくら続けても終わりが来ない精神的苦痛が大きい作業です。
私はある休みの日に自分の家から、開けた道路とは反対側に雪かきを始めました。内心ドキドキしていましたが、親も祖母も特に気にする様子も無く、ただ私が雪で遊んでいると思っていたようです。私の雪かきは単に雪を道路の端に集めていくというものとは違います。それに、私が雪かきをした部分は、誰も通ることのない道。つまりまったく意味の無い行動になるのです。
外に出るときには防水の手袋をはめていましたが、大人からの視線がなくなったのを確認して、手袋を外し帽子も脱ぎました。本当は体操服のような、半そでとブルマくらいにしたかったのですが、さすがにそれは難しかったです。少し小さめのスコップを持って、雪かきのスタート地点に立ちます。
これからどのくらいの辛さが待っているのかと思うと、ドキドキして、また下半身が熱くなるのがわかります。真っ直ぐ人が2人横に並んで通れるくらい雪をどけていきます。大人にとっては簡単な作業かもしれませんが、子どもでさらに小さいスコップでは、1回に動かせる雪の量は本当に微々たるものでした。そして、私の前には、私の腰くらいの高さまで積もった雪が永遠に続いているのです。
5分もしないうちに手がかじかんで、感覚が麻痺してきました。真っ赤になり、たまに痒みを感じます。でも、そこで少しでも手を止めれば罰が待っています。私は脳内の管理人からずっと見張られているのです。この苦痛の作業が終わるのはいつなのかもわかっていません。やっとのことで5メートルくらい雪かきを進めたところで、私の脳内に新しい指示が飛んできました。その言葉は私をさらに絶望へと導くものでした。
今まで動かしてきた雪を全て元に戻せというのです。後から考えてみれば、穴を掘っては埋めるという作業を繰り返させられる拷問と同じことをやらされていた状態だったのですね。
少し成果が見えてきたかと思った瞬間の仕打ちに、心が折れそうになりました。私は今度は必死に積み上げた雪を下ろしていきます。もちろんもとの形に戻すのは無理ですが、大体雪を最初の状態に戻したところで、また雪かきの再開です。これを何回続けたことでしょう? 毎回5メートル地点で穴埋めを命じられる訳ではなく、2メートルのときもあれば、7メートルのときもあります。脳内の私は、私がいちばん苦痛に感じる場所を知っているのです。
さらに、この時私は毎日この雪かきを続けさせられる状態だというシチュエーションを頭に思い描いていました。1日なら耐えられても、これから毎日、意味も無く同じことを繰り返させられる……。絶望感を味わいながらも、被虐心に心も体も喜んでしまうのでした。

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操・・・5歳の時にMに目覚め、隠れて自分を苛め続ける。高校2年のとき、インターネットで知り合った男性を通してSMを知り、それ以来SMの世界に浸かる。痛みや苦しみを与えられると身体が反応し、相手に命を預けることで愛を感じる。

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