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処女を手に入れた施設園長の懺悔 ※DVD収録 告白 小山内 (PN)
自死した初恋の女性
児童養護施設に勤めるようになり、もう三十年が過ぎようとしています。私がこの仕事を志したのは、ある友人の自死がきっかけでした。初恋の相手であり、私に生きる希望を与えてくれた女性でした。
彼女との出会いは中学のとき。お転婆で明るい性格な彼女に対し、私は純文学に傾注する根暗な少年で、友人と呼べる人間もほとんどいませんでした。日々「おはよう」と「さようなら」しか口にせず、私の心は現実から切り離され、物語の中でだけ生きていました。私はそれでよかったのです。
そんな私に現実世界の美しさを教えてくれたのが彼女でした。最初はただの好奇心だったのでしょう。クラスに居るのか居ないのかわからない影のような私が気になったのかもしれません。
「小山内くん、あそぼ!」
そう言って彼女はいつも唐突に私を連れ出し、ふたりでさまざまな景色を通り過ぎていきました。私たちは三年ほどそうして過ごしましたが、恋人という類の関係ではなく、一度も手を触れることもありませんでした。それでも私にとっては初恋の女性であり、人生を変えた先導者でもありました。
しかし、私は彼女の心が暗く深い沼に沈みこんでいたことに気づけずにいたのです。彼女は、養護施設で育ち、里親のもとで生活をしていました。そして、その里親からずっと性的虐待を受けていたのです。
「ばいばい」
そう短く書かれた紙きれだけを残し、彼女は沼の底へと飲まれてしまったのです。
彼女の死後、私は彼女の生きてきた境遇を辿りました。初めて訪れた彼女の家は、あばら家のように荒れ果てていて、腐敗臭やらアルコール臭が充満していました。すでに父親は収監されていましたが、玄関のカギは壊れていて、すぐに入ることができました。家の中はゴミだらけで、無数に転がるポリ袋をかき分けてリビングらしき六畳間の先に四畳ほどの寝室がありました。置いてあったのは一組だけの布団。きっと彼女が里親に虐待を受けていただろう場所です。私は、そこで味わったはずの彼女の苦しみを思い描きました。学校では笑顔の絶えない人気者だった彼女が、この異臭が満ちた空間で、里親による汚辱と恥辱にまみれ、叫びそうになるのを必死にこらえながら、縛られ、組み敷かれ、されるがままの性奴隷となっていた。
私のおぞましい妄想は、次々と淫らな言葉を生み、犯される彼女の姿が実体化していくようでした。その非情で陰惨な光景を前にして、私は愚かな、あまりに愚かなことに激しい勃起に苛まれていたのです。頭の中のただの妄想。映画でも小説でもなく、ましてや現実でもない亡き人の悲惨な姿。恨めしいはずなのに、私は逃れられない欲求の沼にずぶずぶと飲み込まれ、気づけば荒々しくいきり立ったペニスを激しくしごき、射精していたのです。私は手のひらから零れ落ちそうなほどの白濁液をぼうっと見下ろし、それでもなお収まらない勃起を憎みました。これは私の罪なのだと直感したのです。
※この続きは、「マニア倶楽部2019年9月号」をご覧ください。