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ずっとMとして生きてきた私を襲った最大の試練!
それは女王様になって欲しいという男性からの依頼だった(笑)。
なんだかこうして書くと、軽い問題な気がしてくるが、実際はそんなに簡単な問題でないから悩んでいるのだ。
女王様が女王様に目覚めるときというのは、どういう目覚め方をするのだろう?
考えてみれば、私がMに目覚めたのと同じくらい自然な感じで相手をいじったり苛めたり服従させたりするのが心地良いと感じるものなのかもしれない。
だとしたら、それはやっぱり無理な相談じゃ……。
そんなことを考えていた矢先、Tからお店に来れるという連絡が来た。
私は思い切って相手に他のスタッフと一緒に食べるためスイーツを注文してみた。
正直、こういうことをさせるのだけでもドキドキしてしまう。
でもTはそのことに喜びを感じているみたいだった。
逆に考えればわかることだが、御主人様へ何かプレゼントを買おうと思ったとき、私の心は不安と期待でいっぱいになる。
「気に入ってもらえなかったらどうしよう」
「御主人様ならこっちの方が好きそうだ!」
と色々なことを考えながらお店を回るだろう。
選ぶものに失敗したら、相手を失望させるかもしれないという不安は大きいが、同時に相手の役に立てるという喜びも感じる。
Tは常々、私の奴隷になったら、「奴隷としての苦しみを味わいたい」と言っている。
その苦しみを私はもう十分と言って良いほど感じた経験があるから、ムダに苦しまなくてもいいんだよと言いたくなるが、Tは今まで躊躇して飛び込めなかった世界に今こそ飛び込んで、苦しみも喜びも全部私と同じくらい味わいたいのだそうだ。
確かに私がSMを仕事としてもするようになったときには、何をするのも喜びと苦しみに溢れていた。
だけど毎日が純粋に楽しかった。
日常から離れられる時間が普段の私の活力にもなった。
そういう意味では苦しさでさえ愛せるのがSMなのかもしれない。
SMをもっと知りたい。
叱られてもいいからそばにいたい。
何でも良いから声をかけて欲しい……。
相手を純粋に求める気持ちがTにはある。
それは素晴らしいことなのだろう。ただ、それを私に求められても難しいところがあるのも真実だ。
さすがにここまで色々と考えると、私にSっぽさの欠片でもあればと思ってしまう。
相手をメチャクチャにしてあげたい。
これはSの気持ちなのだろうか?
それともMとしてのただの共感なのだろうか?
相手を奴隷にするということは自分も相手に捧げる部分がなくてはいけない。
そこまでの覚悟はまだできない。
待たせて悪いと思いながらも、TもKもまだ奴隷候補どまりのままだ……。
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弥生・・・小さい頃からMの自覚を持って育つ。大学生の頃からハプニングバーで働き始め、今も仕事をしながらバイトをしている。プライベートも含め根っからのMだが、最近M男性からSっぽい面を求められ、方向性が揺らぎ始めている。S転して、女王様になる日も近い!?。