SMカルテ通信  Vol・1 歯科の思い出(後編)

歯科の思い出(後編)
子供の頃は、歯、口腔内に関するコトの治療行為の記憶が一番強い。

ガチガチに固まった水飴を食べて、歯にくっついて、取れなくなったとき、
思いっきり割り箸を引っ張ったら、
被せてあった銀歯とその下の乳歯が引っこ抜けて、
ダラダラと血が垂れ流れたとき、痛いよりもまず笑い出してしまった。
引っ張ったら歯が抜けた、そのことが、なぜかとてもおかしなことに思えて。
漫画みたいだから?
血を垂れ流しながら、ケラケラ笑って、
「歯が抜けたー」
と水飴のお菓子にくっついた歯を自慢げに親に見せる子供。
そのときも、歯の抜けた箇所を、舌先で触って、
はいしゃで抜いてもらった時と同じ、
ぶよぶよした歯茎の感触を確かめた。
口の中で出血をするということは、
特別、嫌なことではないのかもしれない。
噛む行為で何度も舌を噛んだり、唇を噛んだり、頬の内側を噛んだり。
硬い食べ物が好きだったこともあり強い力で噛んでいた。
その傷から口内炎に発展することもしょっちゅうだった。
口内炎の記憶で一番古いことは、
高熱を出したときにできた、二つの大きなもの。
とにかく痛くて痛くて、仕方がなかった。
口内炎はしょっちゅうできていて、これは、嫌なことだった。
でもすぐに治る。
今も、口内炎は苦手だけれど、口内炎を焼く、という治療行為は、
たまらなく好き。
電気メス(単に「焼く」としか聞いていなかったので、もしかしたら聞いていたかもしれないが、失念してしまったので、後で問い合わせて聞いておく)を、
口内炎に当てて、ジリジリと焼いているようだ。
焼いている時の様子は見れないので、詳しくはわからない。
ただ、治療後の口内炎の状態は、表面が黒く焦げていて、
「ああ、本当に焼いているんだ」
と思った。
好きなところは、焼く時の痛み。
ジリジリとした、痛み。
針の刺す痛みとも、殴打の痛みとも、電気のバチン、という痛みとも、
全く違う、今までに感じたことのない痛み。
でも、どんな痛みでも、
衝撃を受けた直後の「余韻」を味わうように楽しんでいる。
痛いことは、痛みが発生するその瞬間は、「痛い」という痛覚しかない。
だが、その後は「痛み」の余韻だけが、ゆるゆるとすり減りながら続く。
単純に「気持ちいい」という表現では、形容できない。
「余韻」に陶酔する状態が、「楽しくて面白い」
医療行為(治療行為)に対する感覚は、一人遊びの延長、なのかもしれない。
一人遊び、だから、脳味噌が喜ぶことに、興奮するし、興味が湧く。
歯科編 終わり。


●プロフィール
ROY(ろい)嬢 25歳。
都内のSMクラブに在籍している、脳ミソ快楽主義のマニア系M女。
自分の中にある強いM性をもてあまし、SMクラブの門を叩いたという彼女は、痛みに対して人一倍の感受性をもつ医療マニアでもあるそうです。
縁あってこのブログにて「医療とSM」についてのコラムを書いて頂けることになりました。
「読者の皆さまに、楽しんで頂ければ幸いです」
とのコトです。
またROYさんへのファンレターなど、編集部あてにお送り頂ければ転送しますので、お送り下さいませ。

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