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あるシナリオ作家のおピンクな日々 第5回 【オススメのピンク映画 その2】 

ピンク映画のシナリオライターをしている鎌田一利氏による書き下ろしピンク・コラム。


私は三作目となる夏公開予定作品のシナリオを書きあげて、
やっと初号試写も終わり一息ついたところ。

そんな中、昨年書いた二作目「不倫OLびんかん濡れ白書(加藤義一監督)」が、今春、公開されました。
現在では関東での公開がひとまず終わり、
メインの劇場からは「御客の入りは良いですよ」とお言葉を頂きホッと一安心。
ピンク映画は基本一週間の公開期間ですので、見逃すとなかなか次に見る機会がありません。
ましてや前回も書きましたがDVD化される作品は少ないので、より視聴が難しくなるわけです。
ですが今回の作品は今後、全国を回りますし、また、しばらくすると関東では再公開もあり得ますので、
その際は、このブログでお知らせいたします。
さて、今回もおすすめのピンク映画の第二弾です。
初めは加藤義一監督作品から一作品。
タイトルは、
「京女、今宵も濡らして」
です。
この映画は物語の舞台が京都で、全編京都ロケで彩られています。
あまり予算のないピンク映画では、だいたい東京近郊でロケを行う作品が多いのです。
ですが、この作品は監督の故郷が京都と言うこともあって、
ご実家もロケ地として取り入れ、京都の実景も使って撮影されています。
そのせいか古都の静かな雰囲気の中で、情念に充ちたエロチズムが展開する映画になっています。
本作は平安時代から続く降霊師の一族の悲しい「性」を描いており、先祖代々口寄せの血筋を引く主人公が、
その血筋というだけで恋人からも避けられ、また周囲からも奇異な眼差しで見つめられ、
自分が周囲の人々に受け入れられない、差別的な境遇でしか生きられない人生であると実感し、
最終的に拒んできた降霊師の道を継いでいくという物語。
口寄せ(呪いの術)を使ったり、兄弟に少しおかしな人物がいたりして、
妖しくも悲しい降霊術一族の宿命が次第に浮き彫りなる。
また脇の人物が大変面白いキャラクター設定になっていて、その辺りの人物描写設定も味があります。
加藤監督はホラー映画が好きな人なので、今作ではホラー映画ばりの演出をしています。
中でも主人公の母親に神が憑依し、依頼者とセックスする場面などは見逃せません。
巫女姿で迫りトランス状態になったままで、まぐわう様は、何とも奇怪で、だけれども淫靡。
恐怖と官能の相剋が素晴らしいのです。
また『蔑視されている一族』と言う人間社会における血縁による差別を描いており、
堅苦しくはないのですが底辺に主題として、差別される人々の悲哀を滲ませているのです。
ピンク映画ではあるけれども、本当にオススメの作品です。
もう一作品は友松直之監督の、
「女囚アヤカ いたぶり牝調教」
という作品です。
これもまたちょっぴり怖いピンク映画です。というかサイコ物です。
主人公の彩香を演じるはカルト的な人気を誇る亜紗美さん。
彩香は同じ名前のアヤカという女囚が看守達に嬲られる夢を毎夜見てうなされる。
精神科に通い治療しようとするも悪夢が治まらず、自分が現実の主婦・彩香なのか、
はたまた女囚のアヤカなのか、訳が分からなくなり次第に狂気に陥っていく。と言う物語。
とにかく亜紗美さんの演技力が素晴らしい。
平素のおしとやかな主婦の時と、女囚としての荒々しい姿の二役を、
別人のように演じ分けていて、見ているこちらの視線が離せない展開になっています。
人は誰でも狂気の小さな塊を持っている、その塊がいつ爆発してもおかしくないのですが、
それが一種のエロスとなって吹き出る。
友松監督はそんな人間のエロスの奥深さ、罪深さを描いているように思えます。
ピンク映画は六〇分の上映時間です。
その六〇分の中にどれだけ濃厚なドラマとエロスを展開させるか、が肝になっています。
前回も含めて、四作品ご紹介しましたが、他にもたくさんの名作、珍作があります。
ただ殆どがDVD化されず、公開期間も少ないのがとても残念です。
本当はもっと大勢の方にAVとは違う、素晴らしいピンク映画の魅力を伝えられたと思います。
また折を見て、運よくソフト化されたピンク映画をご紹介したいと思います。
 


 

筆者○鎌田一利
高校2年の時、日本映画史に残る大名匠・木下恵介監督が講演会にて私のファンレターを読みあげ「熊本の少年に幸あれ!」と仰ってくださるも、何処で道を違えたか、ピンク映画、B級SFホラー映画(特にメキシコ&スペイン物)、古い邦画(特に大映時代劇)をこよなく愛し、好きが高じて、星野スミレ名義で加藤義一監督「主婦マル秘不倫後ろから出して」(2012 年9月28日公開)というピンク映画でシナリオ作家デビュー。
2013年春には鎌田一利名義で書いた第2作目(加藤義一監督:不倫OL びんかん濡れ白書)が劇場公開!
ピンク映画界の巨匠、池島ゆたか監督より「キネマ怪人」、清水大敬監督から「鎌田金太郎」、加藤義一監督には「しょ~もない映画評論家」という肩書きを頂いた駆け出しのシナリオ作家です。