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セレブ妻を奉仕奴隷にした男性の告白 ※本誌付録DVD収録 告白 大野康治(PN)
奴隷の条件
私は、欲望に打ちひしがれる女が好きだ。貞淑を装い、社会正義を貫き、それでも奥底にくすぶる欲望の火種に身を焦がしし、男に屈服する女を見ていると、得も言われぬ充足感を覚える。それは単なるセックスで得られるものではない。私がSMの世界に足を踏み入れたのは、必然だったのだと思う。
だからといって、SMクラブという選択肢は私にはない。経験したことがないわけではないが、仮初の主従関係に興味を惹かれないし、彼女たちの多くは自らのマゾヒズムを自覚し、それを受け入れている。彼女たちには、欲望はあっても逡巡がない。遅疑がない。葛藤がない。世の変態紳士たちにとっては喜ばしいことかもしれないが、私は少々物足りなく感じる。
それゆえ、私は奴隷に器量を求めない。憐憫を強く感じさせる女であることが奴隷の条件なのだ。その点、芙美子は私にとって理想の奴隷である。彼女は、公務員の夫を持ち、高校生の息子と中学生の娘と、東京西部の閑静な住宅街に暮らしている。実家は大地主の資産家で、不動産収入もあり、生活には何ひとつ不自由がない。逢瀬の際に利用する宿泊料金や食事代、タクシー代もすべて芙美子が支払っている。何も私が命じているわけではなく、何とはなしに自然とそのような流れになった。月に二回程度ではあるが、それなりの金額にはなる。専業主婦という身でありながら、夫に知られることなく、工面できるのだから、その蓄えは相当なものがあるだろう。私もそれなりの収入を得てはいるが、総資産でいえば、芙美子の足元に及ばないと思う。
写真をご覧いただければわかるように、ルックスもスタイルも年相応の平凡な女だ。これまでの経験人数も夫を含めて、わずか三人。私に出会うまではオナニーすらしたことがなかった。話を聞いていると、興味はあったそうだが、怖くてできなかったようだ。四十二歳にもなって、そんな話もろくにできない、絵に描いたような奥手である。私と出会わなければ、そのまま何も知らず、平穏に死んでいく運命にあったはずだ。
だが、芙美子は道を踏み外し、今では私に逢わずにはいられない。見下され、蔑まれ、苦しみを与えてくれる私だけが自分を解放してくる唯一無二の存在だと信じている。無論、私も彼女の信頼に応えていくつもりだ。なぜなら、このような女こそ、私の奴隷にふさわしいからである。芙美子は、もう私の運命の輪の中にいるのだ。
※この続きは、『マニア倶楽部2021年1月号』をご覧ください。