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SMレポート in スペイン 【第5回】 (by ROY)

HAPPY NEW YEAR 2018!! 本年もマニアの伝道『三和倶楽部』は突っ走ります! 昨年同様、変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。

2015年~の『SMカルテ通信』に続き、ROYさんから送っていただきましたスペインSM事情あれこれです。ぜひお楽しみくださいませ。


●プライベートshibari……(kinbaku)
15週年アニバーサリーイベント期間中の土曜日。営業開始は23時から。多忙なはずの彼がわざわざ、私のためだけに時間を作ってくれたのは、異国から来た1人のSM好きが珍しかったのだろう。
「日本人がここに来たのは初めてだ」
「日本人を縛るのは初めてだ」
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1週間ほど前に出会ったばかりの異邦人相手に、こんなに親切にしてくれるなんて、一般的に考えたら何か裏がある、と思うのかもしれない。けれど、私はなんの疑いもなく、ただ「彼にもっと縛られてみたい」という好奇心に近い感覚しかなかった。
私が「彼に縛られてみたい」と感じたのには、いくつか理由がある。
イケメンカタラン(カタルーニャ州に住むスペイン人)なのは当然だが……それだけではない。初めて、このclubを訪れた日に、彼が見せてくれた動画や写真の数々。そして、緊縛以外の仕事について。
その中には、彼自身が縛られ、緊縛モデルとなっている作品もあった。
医療針を使って、皮膚に直接リボンを貼り付けたり、著名な日本人緊縛師の技法をオマージュした緊縛、彼自身が、サスペンション(でかい釣り針みたいなものを皮膚にさして宙に釣り上げる、アレ)を使っている写真。サスペンションは私もいつか挑戦したいと思っていたため、興奮とともに
「痛くないのか?」
と聞いてしまった。彼は、それほど痛みはなかったと答えた。彼に
「縛られる行為も好きなのか?」
と尋ねると、
「縛るほうも縛られる方もどちらも好き」
だと言う。
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彼に縛られている女性が、みな一様に、幸福に満ちた甘美な表情を浮かべている様子、悦に入った女性の幸せそうな表情、それらを見つめる彼もまた、幸福そうで……。彼は、女性を傷つけるために縛りたいわけではなく、縛られることで女性が気持ち良くなる姿をみることに満足を得ているように、私は感じた。
彼になら、縛られたい。
いや、彼だから、縛られたい。
なぜならば、彼は、自分自身が縛られたり、被虐プレイの経験を持っていて、さらに、それによって快楽や悦楽、幸福を感じることができる、ということを知っているから。彼は、M側の気持ちがわかるのではないだろうか。彼が見せてくれた写真や動画を見て、私はそんなことを感じた。
「SMや縛りは貴方の人生そのもの?」
私の問に、彼はにこりと微笑んで頷いた。だから、次の瞬間には、
「私はあなたの緊縛モデルになりたい」
と、言葉に出していた。それが、彼から縛りを受けたいと思った1番の理由だ。
アニバーサリー期間の土曜日、午後8時。約束の時間に少し遅れてしまい慌ててclubの扉を叩くと、彼が笑顔で出迎えてくれた。時間に遅れてしまったことを詫びると、彼はいつものように穏やかな声で、
「大丈夫だよ」
と言ってくれた。
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そして、今夜ショーが行われる場所で、緊縛の準備を始めた。私のためだけに、彼がくれた時間。
彼が準備をしている間に、私は服を脱ぎ、準備の完了した彼の前へ向かった。彼は、前回縛ってくれた時と同じように、上半身だけ裸になり、そこで待っていた。緊張もあったが、それ以上に、この場においてどんな言葉がふさわしいのか、スペイン語が出てこなくて、私は黙ったまま、彼の前で背を向けて正座した。
彼の冷えた掌が、私の腕の輪郭をなぞるように、撫でる。冷たい指先が肌に触れた瞬間、電流が走るような感覚を覚える。そして、縄が、彼のすべてに成る。
彼が扱う麻縄は、彼の腕や掌、指先となり、私の身体に絡みつく。腕を、首を、胸を締め付けて、舐めるように皮膚の上を滑る。麻縄が皮膚に食い込む感覚は、彼に爪を立てられているようで、縛り上げられているはずなのに、もはや強くきつく抱きしめられているようにしか感じられない。彼の縄で縛られているはずなのに、私の身体は全身で、彼自身を感じていた。
以前私の上司が、いつも考えすぎてプレイができなくなってしまう私に、こんなことを言った。
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「プレイの間は、何も考えずただ、相手に身を委ねなさい」
「その時間だけは、相手に、自分を貸しなさい。相手の『モノ』になりなさい」
言葉も文化も違う異国で、さらには「言葉」という、意思疎通をはかるためのツールをお互いに持っていない、この状況で、けれども確かに私は、彼に自分の全てをあずけていた。彼の「モノ」になっていた。その感覚は、今までに感じたことがないほどの、快感だった。
脳味噌が感じているだけではなかった。精神的に満たされているだけではなかった。肉体的にも、確かに感じていた。私の喉から溢れる息が、艶を帯びたものに変わっていた。彼の掌が、私の敏感な器官を触っているわけではないのに。身体の奥が熱くなり、じんわりと湿ってくるのがわかった。
好きな人と性行為をしたことなんて、生まれてから1度も経験はないけれど、それはまるで、セックスをしているような感覚に近くて。
「好きな人に抱かれるのってこんな気持ちになるのだろうか」
という考えがぼんやりと脳裏を過ぎった。けれど、そんな経験のない私にとっては、セックス以上の快感と興奮だけが、そのときの現実だった。
倖せな時間は、あっという間にすぎてしまう。2人きりの緊縛の時間はあっという間に過ぎてしまい、緊縛が終わったあとも私はしばらく余韻から覚めることができなかった。
その場でぼんやりと虚空を眺め、身じろぎもできなかった。彼はペットボトルの水を持ってきて、私に渡してくれた。
「ありがとう」
とつぶやいて、一口、口に含む。彼にも差し出すと、彼は一気に飲み干してしまった。
縄を片付けている彼をぼんやりと眺めていると、首をひねっていたので、私はいつものように、肩や首に触れて、マッサージを始めた。スペイン語での声のかけ方も忘れてしまったけれど、彼は理解してくれたようで、そのうちゴロリと横になった。本格的にマッサージをしている間、まだまだ慣れないスペイン語で、少し会話をした。
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彼の冷え切った指先を温めながら、いつもこんなに冷えているのかとか、ちゃんと睡眠をとっているのかとか。彼は休みなく毎日働いていることや、あまり睡眠時間がとれていないこと、ご飯はちゃんと食べるけれどたくさん働くせいで痩せていることなどを話してくれた。そんな生活習慣が、まるで日本人みたいだと私が答えると彼は少し笑った。
少し寒くなってきて、私が服を着ていると、彼は今度は仰向けになって大きく伸びをした。そしてそのまま、腕を上げたまま、動きを止めた。私は、彼ね頭を膝の上に載せて、首の後ろや頭部を指圧した。彼の指先はとても冷たいのに、頭や身体は熱を帯びてとても温かい。
そのうちに、静かな寝息が聞こえ始めて。
忙しい中、時間を割いてくれた彼の真意はわからない。本当に、ただ、縛りが、緊縛が、好きなだけなのかもしれない。日本人を縛って見たかっただけかもしれない。
それでも、彼と過ごしたこの時間は、私にとってかけがえのない、人生の宝物の一つになった。私はこの時この瞬間だけは、彼に、恋をしていたのだから。


【プロフィール】
●ROY(ろい)嬢
都内のSMクラブに在籍している、脳ミソ快楽主義のマニア系M女。自分の中にある強いM性をもてあまし、SMクラブの門を叩いたという彼女は、痛みに対して人一倍の感受性をもつ医療マニアでもあるそうです。
またROYさんへのファンレターなど、編集部あてにお送り頂ければ転送しますので、お送り下さいませ。