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『串名田村奇譚』 (左母次郎) 【第4回】

●第4話「対決」

電話を切ってから30分ほど後。ごつい4WDが目の前に停まり、救急箱を手にした呂末氏が降りてきた。

「派手にやられたな、大丈夫か」

あちこち痛むものの、傷の程度は大したことはないようだった。これなら動ける。応急手当てを受けながら事情を説明した。妹が生け贄に選ばれたこと、逃げ出した妹を村人が追ってきたこと、妹が連れ去られたこと……。 続きを読む

『串名田村奇譚』 (左母次郎) 【第3回】

●第3話「誘拐」

呂末氏のアパートを辞したのは夜遅くなってからだった。別れ際、彼はこんなことを言った。

「近いうち、祭が行われるはずだ。ぼくはまた行ってみようと思う」

祭。誰かがまた生け贄にされるということだ。まさか、穂海が……
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『串名田村奇譚』 (左母次郎) 【第1回】

●「第1話「地図にない村」 

N県K郡串名田村。ぼくの生まれ故郷だ。辺境と呼ぶにふさわしい山奥の小さな村で、たいていの地図には載っていない。そこに行くにはバスを何度も乗り継ぎ、その終点から荒れた山道を1時間も歩かなければならない。猫の額のような土地に、100人ほどの村人が段々畑を作ったり家畜を飼ったりして暮らしている。人々は排他的で、ほぼ全員が村の中だけで一生を過ごし、村独自のしきたりを頑に守っている。 続きを読む

ついに最終回!『牝犬物語』 【第5話】

悪夢のような行為は明け方まで続いた。冴島はようやく満足し、私はコンクリートの床に崩れ落ちるように眠りに落ちた。

気がつくと陽は高く登っていた。体が痛くて起き上がることが出来ない。ごみくずになったような気分だった。冴島はベッドの上で全裸のまま高いびきをかいている。

ご主人様の所へ戻れないまま、この下衆の極みのような男に飼い殺しにされるのだろうか。そう思うと涙がこぼれた。死んでしまいたいとさえ思った。

ふと、首もとに手をやってはっとした。鎖が首輪から外れている。昨夜、冴島が邪魔だと言って外したのを思い出した。そのまま眠り込んでしまったようだ。思わず舞い込んだチャンスに胸が躍った。逃げよう。いま逃げなければ、一生ご主人様に会えない。 続きを読む

牝犬物語 【第4話】

意識を取り戻した時、目に映ったのはいちめんの灰色だった。
私は壁も床もコンクリートの牢獄のような部屋に閉じ込められていた。
部屋の中にあるのは、汚ならしいマットレスを乗せた鉄製のベッドと、天井からぶら下がった裸電球だけ。壁の高い位置に小さな窓がある。
外を見ようとしたが、数歩以上近寄ることが出来なかった。
私の首輪は猛獣にでも使うような頑丈なものに取り替えられていて、鉄の鎖でベッドのフレームに繋がれていたのだ。
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お待たせいたしました~左母次郎先生です!『牝犬物語』 【第3話】

公園での出来事は、私たちの生活スタイルを変えるきっかけになった。私たちが都会で暮らすのは無理だったのだ。世間では皆と違う者の存在を許さない。異物であることがばれればたちまち吊し上げだ。

「ここでこそこそ暮らすより、いっそ人のいない所へ行こう」

ご主人様の決断は早かった。千葉の海沿いの街はずれにバブルの頃建てられた別荘地がある。その一軒を格安の値段で買い取り、私たちは引っ越した。映画にでも出てきそうなお洒落な建物が並んでいるが、住んでいる人は誰もいない。まるでゴーストタウンだ。ちょっと寂しい気もするが、ここなら白昼何をしようと見咎められることはない。理想的と言えば理想的だ。

「ここに僕らみたいな連中を住まわせて、性的マイノリティのユートピアを作ろうか」

ご主人様は笑いながら言った。

新しい生活は思ったより快適だった。少し歩けば海岸があり、私たちはまったく人目を気にすることなく、そこで丸1日過ごすことが出来た。実際、たまに来る郵便配達を除けば人の姿を見ることはまれだった。まるで、世界が私たち二人…いや、一人と一匹のためにあるように感じることが出来た。幸せだった。だが、この幸せは長く続かなかった。 続きを読む

お待たせいたしました~左母次郎先生です!『牝犬物語』 【第2話】

私の犬としての生活はこんなふうだ。

朝、ご主人様を起こすところから一日がはじまる。
普通なら朝食の支度をするのだろうが、それはご主人様がしてくれる。
メニューは決まって目玉焼きにトースト、私にはドッグフードだ。
ご主人様が会社に出かけたら一日することがない。ひたすら待つだけだ。
いくら退屈でもテレビを見たり本を読んだりはしない。
ご主人様が見ていなくても、私は忠実な犬でありたい。
夜、ご主人様が帰って来たら思い切り甘える。疲れた彼を癒してあげるのが私の役目であり、喜びなのだ。
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左母次郎先生、新連載! 『牝犬物語』 【第1話】

「ただいま、ポチ」
 会社からご主人様が帰ってきた。私は玄関で待ち構えていてじゃれつく。
「わん、わん」
「こらこら、歩けないじゃないか」

 ご主人様は笑いながら私の頭を撫でる。そして鞄からペットショップの包みを取り出した。私へのプレゼントだ。開けてみると、新しい首輪が入っていた。嬉しい。
「結婚記念日だからな」
 ご主人様は私に濃厚なキスをしてくれた。 
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妄想怪談話【第5話 理科準備室】

 ぼくがこの学校に転校してきたのは5年生の時だった。それまではK県の海沿いの街にいたんだけど、お父さんの仕事の都合で引っ越して来たんだ。

 初めて学校に来た日、ぼくは不安でいっぱいだった。じつを言うと、ぼくは前の学校でひどいいじめを受けていたんだ。学校に行くのがいやでいやでたまらなかった。一度いじめられると臆病になってしまう。今度の学校でも、また同じ目にあってしまうんじゃないかと…。
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妄想怪談話【第3話 人食い跳び箱】

日曜日の午後。千恵子は足取りも重く学校へ向かっていた。

「やだなあ」

運動会の障害物リレーの選手にされてしまったのだ。
体育が大の苦手なのに。
コースの途中にある跳び箱が最大の難関だ。
むり、と言ったところで誰も取り合ってくれなかった。

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屈辱の家庭訪問 第4話

妙子は教え子達にバイブレーターで責めたてられ、
苦痛を感じているはずなのに体が別の反応をしていた。
あってはならないことだった。

「うわ、なにこれ、おしっこ?」

悟が手についた液体を太腿で拭いながら言った。
妙子のその部分はもはや隠しきれないほど潤っていた。

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屈辱の家庭訪問 第2話

「さあ、みんなお待ちかねだぜ」

猛は妙子を無理やり立たせると、裸の背中を押して薄暗い廊下の奥へ追いやった。
そして突き当たりの襖を乱暴に開け、妙子をその中へ突き飛ばした。
そこは居間なのだろうか、散らかった和室の真ん中に彼女は尻餅をついた。
室内でゲームをしたりマンガを読んだりしていた少年達の目がいっせいにこっちを向いた。
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