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管理者の視線<第8回>緊張

いよいよ、相手に会いに行くためにバスに乗る日がやってきました。
その日は家のことをしていても失敗はするし、
上の空でなににも打ち込めませんでした。

私は夜行バスで相手の最寄りまで行こうと思っていたので、
その一日の長かったこと長かったこと。
何度も荷物の忘れ物はないかを確認し、
バッグを開けたり閉めたりを繰り返します。
昼寝をしてしまうと、バスの中で眠れなくなると思って
起きていようと思うのですが、
好きな読書をしていても気が気ではありません。

相手とは朝から普通にLINEで会話をしていました。
相手はその日も朝から仕事で、
私は仕事の合間合間に返ってくる返事を待ち遠しく思っていました。
夜の食事の用意も普段通りに済ませましたが、
あまり食欲がわきません。
そのくらい私の胸の中は相手のことでいっぱいだったのです。

相手からバスが何時にどこに着くのかを夕方再度確認されました。
その返事以降忙しくなったのか、なかなか返事が返ってきません。
私がバス停について、そのことを連絡しても全然返ってこないLINE。
私はどんどん不安になっていきました。

「もしかしたら騙されていたのではないか」

そんな不安がどんどんと胸の中で大きくなってきます。
こんな風に思うようになってから、初めて

「もし、朝バスが着いても誰も迎えになんて来てくれていなかったら、
どうしよう」

と、その行動の危険さに気付きました。

正直、行く場所は全く土地勘もなにもない場所です。
相手に会えないとしたら、
私はそこで3泊ぐらいしなければいけないことになります。
これまで考えていた計画が全部崩れる可能性が頭に浮かんだ瞬間、
私はパニックになりそうになりました。
相手からの連絡は途絶えたままです。
もちろん寝ている時間の可能性もありました。
ですが気になって仕方がなかったのです。

相手にLINEを何度も打ち、
返信を待ちましたが一向に返信がありません。
私はバスの中で泣きそうになりながら、

「大丈夫大丈夫」

と不安を打ち消そうとしました。
バスの中が就寝で暗くなってからは、
そんなに頻繁にLINEを見ることもできなかったため、
私は手に携帯を握ったまま眠ることにしました。

何もしていないと不安ばかりが襲ってくるので、
私は音楽プレーヤーで音楽を聴きながら眠ることにしました。
目をつむって2時間ほど、まったく眠れる気配がありません。
相手に会うことへの緊張と、相手に裏切られたのではという不安。

それまで出会ってから2週間ぐらいの舞い上がった自分を思い出して、少し

「バカだなぁ」

と自嘲してしまいました。
不安を打ち消すために、
もし相手が迎えに来てくれなかった場合の対処を考えることにしました。
相手の住んでいるところは比較的都会だったので、
大きな駅の周辺に居ればネカフェなどはあるでしょう。
お金はそこそこ用意していたので、
もしダメでもそこで過ごせばいいやと思いました。
最近は女性専用のカプセルホテルもあると聞いていたので、
それを探してみてもいいなとか考えたりもしました。

そんなことを考えているうちに2時を回り、
私はいつの間にか眠っていました。
昼間全然眠らずにずっと緊張していたので、疲れてはいたのでしょう。
2時間ほど眠って4時半ごろバスが最後のトイレ休憩に
止まったところで目が覚めて、そこからまた緊張の時間が続きます。
まだLINEの返信はありません。

私はある意味どっちでも大丈夫なように覚悟を決めました。
会えると信じているけれど、会えなくても大丈夫という不思議な感覚。
バスはもう少しで相手のすぐ近くの駅につきそうでした。



美穂・・・自分のM性に気付いてから主を探している。今までなかなか理想的な主と出会えずにきた。今は普通の主婦で、自分を完全に支配してくれる主を望んでいる。

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