三和倶楽部厳選全国マニアック店

『女教師・股縄相撲』(左母次郎)【第4話】

相撲部室に監禁されてから何日経ったのか、歩美にはわからなくなっていた。
カレンダーもテレビもなく、携帯電話も取り上げられたままだった。
ただ、部員達の言動やそわそわした雰囲気から学生相撲大会が近いのだということはわかった。

だが、歩美にはそんなことは関係なく日々は過ぎて行った。
股縄を締めただけの姿で部室の掃除や雑用をさせられ、稽古が終わると部員達のオナニーのオカズにされる。その繰り返しだった。

「根性出せ根性!」

剛志の怒号が飛ぶ。大会を翌日にひかえ、全員が緊張した面持ちで稽古に臨んでいた。ちょっとでも気を抜くと剛志の竹刀が容赦なく飛んで来た。

「いいかお前ら、明日は絶対勝てよ!負けは認めねえからな!」

「おう!」

激しい稽古は夕方まで続いた。いつもなら下卑た笑みをうかべて歩美を見つめている部員達が、脇目も振らず一心不乱に稽古に打ち込んでいた。
相撲部4
「ようし、よく頑張った、これなら明日は優勝間違いなしだ」

疲れ果ててへたりこむ部員達の前で、剛志が声を張り上げた。

「最後の仕上げとして、先生に一人ずつ気合いを入れてもらう」
部員達は歓声をあげた。

「先生、土俵に上がれ」

「えっ、でも…」

女性は土俵に上がってはいけないのではなかったのか。

「上がれって言ってんだよ」

言うことを聞かないと何をされるかわからない。おずおずと土俵にあがった。部員達の視線が体中に突き刺さる。

「な、何をすれば…」

「こいつらと相撲をとるんだよ」

「でも…」

「いいからやれ!」

「俺一番!」

一人が威勢よく手を挙げた。

「ようし、裕太、お前からだ」

歩美と比べると倍ぐらいありそうな体格の部員が土俵に上がって来た。ニヤニヤしながらどすん、とばかりに四股を踏む。剛志が手のひらを行司の軍配代わりにして、かけ声をかけた。

「はっけよい、残った!」

その途端裕太が突進して来て、歩美の体にのしかかるようにして左右の尻の肉をむんずと掴んだ。乱暴に揉みしだき、平手でパンと叩いた。

「なかなかいい触り心地じゃねえか」

鼻息も荒く彼女の尻をなで回す。

「先生よう、もっとふんばってみろよ。それじゃ相撲にならねえだろ」

歩美はへっぴり腰で裕太の巨体を押してみるがびくともしない。
裕太は彼女の尻の谷間から顔をのぞかせている縄の結び目を掴んでぐいと引っ張った。
股縄は股間にきつく食い込み、つま先が浮いた。

「い、痛い、やめて」

子猫のように軽々とつまみ上げられて足をじたばたしている歩美に、部員達は大笑いした。

「いい眺め」

「ひゅうひゅう!」

裕太はそのまま歩美の体を土俵の外へ放り投げた。

「勝負あった。裕太の勝ち!」

砂だらけになり、よろよろと立ち上がった歩美を剛志はふたたび土俵の上に引きずり上げる。

「次は誰だ」

「俺!俺!」

たちまち数人が手を挙げた。

「じゃあ卓」

部員達の中では小柄な方だが、それでも歩美よりは一回り大きい少年がのしのしと土俵に上がった。

「はっけよい、残った!」

今度は胸に張り手が飛んで来た。歩美はひとたまりもなく土俵から転げ落ちる。
卓は勝ち誇ったような笑みを浮かべて彼女を見下ろした。どうやら「気合いを入れてもらう」というのはこうやって弱い相手に一方的な相撲を取り、勝った気になる…ということらしい。
歩美はまた土俵に引きずり上げられ、次の部員と取り組まされた。
最初のうちこそまだ相撲の体をなしていたが、それは次第にただの暴力へ発展して行き、いきなり殴られたり蹴られたりした。
彼女の体はたちまち傷だらけ、痣だらけになった。

「次!」

「ま、待って」

「なんだ」

苛立った舌打ちがあちこちから聞こえる。

「縄が…すれて痛いんです…。もうやめて…」

「しょうがねえなあ」

剛志が結び目を器用にほどき、縄は彼女の足元にぱらりと落ちた。腹部をぐるりと一周して、臍から下に縦に、縄が当たっていた部分は赤くすりむけて血がにじんでいた。

「なるほど、こりゃあ痛いよな。絆創膏貼ってやろうか。待ってろ」

まだ順番の来ていない部員達はお預けを食らって不満そうだ。
戻って来た剛志が手に持っていたのはガムテープだった。

「貼ってやるよ。ほら、足開け」

このまま終わりにしてくれるとは思っていなかったが、ガムテープとは…

「足広げろって言ってんだよ」
声に怒気が帯びて来た。仕方なく言う通りにする。
剛志は臍の下から股間をくぐって尻までガムテープを貼った。
今までもじゅうぶん屈辱的な姿だったが、これもまた酷い。

「次は誰だ」

すぐさま取り組みが再開した。
縄が無くなったので、腰のあたりや尻の肉を鷲掴みにされた。
ガムテープは投げ飛ばされたり蹴られたりしているうちに剥がれかけてきて、1年生の次郎と取り組んだとき尻の側がぺろりと垂れ下がった。

「へへへ」

次郎は素早く足の間から手を伸ばし、ガムテープの尻尾を掴んでべりべりと剥ぎ取った。

「勝負あった!」

次郎は戦利品を仲間に見せびらかしながら土俵を下りた。
剛志はもう「絆創膏」を貼り直す気はないらしく、歩美は素っ裸のまま取り組みを続けなければならなかった。
恥ずかしいと思う余裕はなく、体中の傷を庇いながらただひたすら残りの人数を数えていた。
最後の一人が終わった途端、力を使い果たして土俵の上にへたりこんだが、邪魔だとばかりに蹴り落とされた。

「ようし、気合いは充分だな」

「おう!」

全員が闘志満々の顔をしていた。暴力衝動を発散してすっきりしたというところだろうか。

「解散!」

部員達が帰ったあと、歩美は傷の手当もされないまま倉庫に放り込まれた。

「明日は優勝祝賀会だからな。たっぷり可愛がってやるぜ」

剛志と健介が中学生とは思えないような下卑た台詞を吐く。

「傷薬はそこにあるからな、せいぜい奇麗にしときな」

笑いながら鍵をがちゃりと掛けた。
薄暗い倉庫の中で、歩美は踞ったままじっとしていた。
出来ればこのまま死んでしまいたい。どうすれば楽に死ねるだろうか…。
自殺する勇気がわかないまま、そればかり考えていた。

続く


マニア誌ブログ編集部では、本作品の感想や叱咤激励、【左母次郎】さまへのファンレターなど随時お待ちしております。

コメントする

三和出版新刊情報