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【映画】絶対オススメ!『スターリンの葬送狂騒曲』08/03(金)公開!

こんにちは、マニクラ編集♀Hです。突然ですが、私たち『マニア倶楽部』編集部宛に、日々数多くの試写会ご招待をいただいております。とはいえ『マニア倶楽部』は成年向けの本ゆえに、せっかくのご招待もなかなかお力になれないこともあり、心苦しく思っております。
しかし!今回は編集♀Hの魂ど真ん中の映画が公開されるとあり、万難を排して試写会に参加してまいりました。タイトルはずばり、

『スターリンの葬送狂騒曲』

です。
★stalin_main
この映画は、1930年代~50年代初頭にかけて旧ソ連を支配していた独裁者、スターリン(1878~1953)が死亡してから、その後継者争いに決着がつくまでの一連の流れを追った作品です。ただし、パンフレットでロシア政治史に詳しい横手慎二氏が指摘しているように、この映画に描かれた出来事は史実と大幅に異なるし、出演者も実在した人物と似ていません。
恐らく、イアヌッチ監督にとって重要だったのは、スターリン時代のソ連における異常社会、政治状況の再現であって、それ以外の点は枝葉末節だったのでしょう。
「世界初の共産主義国家を防衛する」という名目で密告奨励される、それも子供が親を、夫が妻を政治犯として訴えることが大事だとされた社会の狂気を、確かにこの映画は上手にすくいとっているように見えます。
秘密警察(当時の呼称はソビエト連邦内務省)に課せられた逮捕のノルマ、人々が寝静まった深夜に現れる彼らの黒い車、被害者宅に押し入ってくる隊員達、そして逮捕、拘留、拷問、即決裁判による銃殺刑……という一連の流れが、スターリン死後の権力闘争の背景として描かれていく様子は、映像作品ならではの見応えがあります。
そう、この映画では拷問射殺が主要な演者の後ろでどんどん行われるのです。そのため、観客はスターリンの後継者達の愚かさ、政治的駆け引きの醜さなどといったコメディシーンと、凄惨なシーンを同時に鑑賞せざるを得ません。これが、何とも言えない味わいをこの作品にもたらしているのです。
史実におけるスターリンは、死亡する直前の1953年1月に行われたユダヤ人医師団の逮捕をきっかけに、ソ連国内の全ユダヤ人を迫害する計画を立てていたと言われています。また、同時にベリヤ、モロトフなど政府高官の一部も粛清しようとしていた可能性が高いと思われます。
しかし、本人が3月の段階で病死したため、これらの大量殺人未遂に終わりました。その後の権力闘争に勝ったフルシチョフが、スターリンの悪事に関して公式の場でコメントを発したのが1956年だったが、当の本人もウクライナ共産党第一書記の時代に、10万人近い人々の殺害に関わっていたこと、また、本作に登場するベリヤ、モロトフ、マレンコフ、カガノーヴィチらもそれ以上の大量殺人に関与してことを失念してはなりません。
つまり、大量殺人を厭わない人々が、労働者のための国家建設に関与していたのです。彼らは共産主義という理念の熱心な信奉者、もしくはそのふりをした人達でしたが、生身の人間にそれほど思いやりや愛情を注いだようには思えません。
それでも、理念スジが通っていればまだ救いがあったのですが、マルクスをはじめとして共産主義の「理論家」たちはことごとく数学が出来ず、従って彼らの主張に論理的な一貫性皆無でした。
本作はこの、
「生身の人間も大切にしなければ、理論の一貫性もなかった」
ソ連指導者達も上手く描いています。
秘密警察の活動によって次々に人々が逮捕され、銃殺される中で、彼らはその場しのぎで一貫性の無い主張を繰り返します。
特に印象的だったのは、ユダヤ人という理由だけでスターリンの標的にされ、秘密警察に逮捕されていたモロトフの妻、ポリーナが自宅に戻ってくるシーンです。この実にみっともないやりとりだけでも、本作を観る価値がある……と確信します。
皆さま、8月3日(金)には映画館へGO!
文責・マニクラ編集♀H


 

『スターリンの葬送狂騒曲』

8月3日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
© 2017 MITICO • MAIN JOURNEY • GAUMONT • FRANCE3 CINEMA•AFPI•PANACHE•PRODUCTIONS•LACIECINEMATOGRAPHIQUE• DEATH OF STALIN THE FILM LTD
配給:ギャガ