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SMレポート in スペイン 【第3回】 (by ROY)

2015年~の『SMカルテ通信』に続き、ROYさんから送っていただきましたスペインSM事情あれこれです。ぜひお楽しみくださいませ。

●バルセロナでSM撮影会デビュー!

金曜日に訪れたSMクラブでの撮影会当日。先に他の予定があったため、そちらに立ち寄っていたら、予定時間の17時ぎりぎりに。慌ててタクシーを捕まえて、クラブの店主にメッセージを送ったら、「大丈夫だよ」的な返答が。15分ほど遅れて店に到着すると、店内にはまだ、男女各1人ずつのみ……17時ちょうどに集合ということではなく、17時から集合開始、ということでしたか。

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常連と思しき男性と本日緊縛モデルをやるために来た女性と必死でこれまでに学んできたスペイン語を引っ張り出そうとするものの、緊張のせいで全く単語も何も出てこない!

アルコールを摂らないと本気でTimidaなワタクシ……。なぜかほんの少しだけ中国語が話せる常連男性と店主から、おすすめのBDSM系専門SNSとそのアプリを教えていただき、検索したりインストールしたりと、ワタクシが無意味に四苦八苦している間に、店内には緊縛モデル希望の女性やカップルが次々と来店していました。

さらには、スペインで(?)著名な緊縛師のヒトリ、〝NoShibari〟氏も到着し、気がつくと、撮影会主催者(?)の1人であろう女性スタッフが、モデル希望の女性に向けて何やら説明を開始。氏名や個人情報を記載し、規約に同意する旨を説明していたらしく、最初に会った女性が、スペイン語がまだまだ下手くそなワタクシに説明をしてくださいました(非定型疑問文、苦手……返事が日本語と真逆だから……)。

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同意書への記入が一通り終わると、今回初めて緊縛を受ける女性モデルさんたちだけ2階に集まり、今回の緊縛への説明がスタートしました。

まずは、緊縛経験があるか、緊縛は、怪我や痛みを与えるためのものではないこと、それから、緊縛の撮影は、セクシュアルなことが目的ではないこと(多分、そんなようなことかと……)等、説明を受け、その後に、3人の緊縛師のうち誰に縛られたいか、3人の緊縛の特徴や、それぞれの性格について説明されました。

ワタクシ以外は、すでに誰に縛られたいか、決まっていたらしく、ワタクシは他の女性が縛られている様子を見て、最後に決める、ということになり、必然的にトリを飾ることになってしまいました……。勝手に日本代表の気分にさせられましたが、スペインの緊縛師の方々がご存じの有名な緊縛師さんには、誰一人として縛られた経験はございません……。

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▲土曜日に飲んだcavaです。スペインは、美味しいcavaが安いです。

日本で誰に縛られたことがあるかを問われて……お仕事で、女王さまから縛っていただいたり、お客様の中にものすごく緊縛の上手な方がいらしたりして、ある程度縛られなれてはおりますが、なんとも説明がうまくできません……。なんだかがっかりさせてしまった気分で申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

それはさておき、1人目の緊縛師は、撮影会の現場にもなっているクラブの店主であり、緊縛パフォーマーでもあるジョルディ氏。緊縛経験は4年と伺ったので、日本ではまだまだ若手に分類されるのでしょうけれど、きっとバルセロナでは、中堅どころ。細見の長身筋肉質の身体で、若い女性から人気がありそうな雰囲気があります。

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▲緊縛:ジョルディ氏(Atador: Jordi Lucena Viade)/撮影:tentesion

緊縛スタイルは、正座の体勢から後手縛り、麻縄を使って、胸や首を責める小技を随所に設けつつ、片足ずつ吊り上げ、吊った状態でポーズを変える、正統派と言えば正統派な緊縛スタイル。

本人曰く、hajime_kinoko氏に影響を受けているところが多少あるらしく、たしかに、日本のベテラン緊縛師のスタイルとも若干違うような……ただ、本当に4年ですか(!?)と思うほど、縄さばきも素早くて美しく、縄処理もなかなか綺麗でした。縛りの強さも、テンションがかかることを考慮してか、結構、かなり緩めでした。感覚としては。吊られない限り、縄が皮膚に食い込む感覚はほとんどありませんでした。

どっちかというと、セクシュアル寄りかも……です、が、肌に触れる指先の感覚はもっと強くしてもいいかなあ、と。個人的な意見ですが。優しすぎる……。

2人目は、ジョルディのお師匠でもある(多分……)〝NoShibari〟こと、アルベルト氏(Alberto)。

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▲イベントで粗品として提携アダルトショップのアメニティ(コンドーム&ローションなど)をいただきました。

この方の緊縛スタイルは、日本のベテラン、大御所緊縛師的。縛る前の軽い責から始まって、女性の頑なな閉ざされた心を溶かして、自分の世界に引き込むような、けれど、彼の世界は美しい緊縛の世界。女性の精神や魂を解放して、彼女たちの美しさを引き出す、そんな緊縛スタイル。とにかく、美しい。美しいすぎる……。(demasiado bonita….)

ゆりかごのような緊縛で、花園で眠る美女を彷彿とさせられ、吊るされた女性とダンスをするかのようなパフォーマンスも交えたり……。女性の美しさを引き出す、ひたすらに美しい緊縛の世界でした。彼は、写真集も出しています。ちなみにそのうちの1冊は、前回6月の滞在時に購入済み。

3人目は、ジョルディ氏の弟子である女性の緊縛師。最初の説明時に、彼女は猫のようだ、と言われていたように、撮影に入る前スタッフさんが、”gatita ygatita!!”(子猫ちゃんたち)と言っていたのも納得の緊縛スタイル。

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▲ビンゴ的なイベントもありました~自分の名前を書いた紙を箱に入れて→くじ引き。1等はアダルトショップで180ユーロ分のグッズがもらえるらしくて1等をいただきました。

端正な顔立ちの美人さんなのに、緊縛に入るとイタズラ好きな子猫のように、時折モデル女性の首筋やふくらはぎに噛み付いたり、足の裏を指先でくすぐったり、小柄で痩せた体型を生かして(!?)、吊り上げたモデルさんの上に飛び乗ったり……。

まだまだ若手に入るだろうけれど、モデル女性の状態から常に目を離さず、途中で気分が悪くなり緊縛を中断したモデルさんへのフォローも欠かさずきちんとする姿を見て、この先必ずや素晴らしい女性緊縛師になるだろうことが容易に想像がつきました。次回機会があればぜひ、縛られたい緊縛師さんのヒトリでございます。

モデルさんは、体型も体格も様々でした。日本人は、もちろんワタクシただ1人!

欧州の方は、スペインだけではなく、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、エトセトラ……両親がスペイン人ではなかったり、祖父母が他国の方だったりするのが当たり前、なので、目の色髪の色、肌の感じ、みんな違ってみんな美しい。スタイルがよい!と、思いました。

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▲アダルトショップと提携して様々な催しをやっているようです。私も先述したアルベルト氏の写真集やバラ鞭を購入したことのあるオススメのお店です。

ちなみに、BDSM愛好者の方は、日本の縛りや緊縛が好きな方も多いので、日本ではスペインと違って挨拶でキスをしない、と言うことをご存じの方も多々いらっしゃいました。そのため、私が日本人だからか、挨拶のときにキスをして失礼にあたる、と気を遣ってくださる方もいらっしゃいました。

が、ここは、スペイン。日本の常識はさておき、ハグもホッペへのキスもちゃんといたしました。郷に入っては郷に従え、ではありませんが、スペインにいる以上はスペインの流儀に従うのが礼儀かなとワタクシは思うのでございます。

また、この挨拶があるからこそ、BDSMという世界でも、距離が近く感じられる、お互い対等の関係……という感じがいたします。人見知りで恥ずかしがりやなワタクシですが、スペイン流の挨拶のお陰で、他者との距離がより近くに感じられるようになりました。日本にいる間も取り入れようかしら……。

そして、スペインでも、これだけ「shibari」「kinbaku」という日本語が流通して、縛られたい、緊縛を受けたいと思う男女がいるという事実が驚きです。縛りや緊縛の何が、日本以外の国々の方々を魅了するのか。もっとスペイン語を上達させてぜひ、聞いてみたいです。
(つづく)


【プロフィール】
●ROY(ろい)嬢
都内のSMクラブに在籍している、脳ミソ快楽主義のマニア系M女。自分の中にある強いM性をもてあまし、SMクラブの門を叩いたという彼女は、痛みに対して人一倍の感受性をもつ医療マニアでもあるそうです。
またROYさんへのファンレターなど、編集部あてにお送り頂ければ転送しますので、お送り下さいませ。
SMレポート in スペイン 【第3回】 (by ROY)
(2017年02月21日)
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